日本シリーズが終わり、オフに入った球界は、日本ハムの新庄剛志新監督の話題で持ちきりだ。自身のインスタグラムでファンに向けて〈みんなBBはやめて〉と、愛称の「ビッグボス」を略さないよう要望しただけで、スポーツ紙各紙がニュースにする状況だ。
「新庄監督のネット記事はアクセスが飛び抜けていて、大谷翔平と並んでスポーツ紙の救世主です。あるスポーツ紙は“なんでもいいから新庄監督で毎日記事を作る”という方針で、24時間体制で記者がインスタやツイッターをチェックしています」(スポーツ紙デスク)
ビッグボスフィーバーの一方、球団は看過できないトラブルを起こしていた。
11月26日、日ハムは今オフに自由契約にした6選手と新たに育成契約を結んだ。昨オフ、巨人が2019年ドラ1の堀田賢慎をわずか1年で育成契約にするなど令和の球界では「育成再契約」は見慣れた光景だが、今回の日ハムの契約は前代未聞の“ルール違反”だった。
「NPBのルールではトライアウトが終わるまでは自由契約になった選手と契約できません。実際には契約更改の場で自由契約を告げる際に、球団から育成契約を打診しますし、選手も受けるかどうかの意向を示しますが、建前上、契約締結はトライアウト後。スポーツ紙も〈再契約の見込み〉としか書きません。しかし、今回、担当記者に配られたリリースには、はっきりと再契約後の背番号まで記載されていたので、広報がルールを理解していなかったのでしょう」(日ハム担当記者)
ただちに、日ハムは火消しに奔走する。広報は各社の担当記者に〈まだ6選手と育成選手契約を締結しておりませんでした〉〈ネット記事等で配信されている場合はお手数ですが、削除をお願いいたします〉とメールを送っている。
「契約締結をネットで配信していたあるスポーツ紙は記事を取り消す代わりに、日ハムが発表を取り消したことを記事にして配信しました。しかし、この記事すらも球団からのお願いで削除することになりました」(同前)