11月上旬の昼間、都内の高級住宅街を歩く二人の男性。ともに全身が黒ずくめで、1人はニット帽にサングラスとマスク姿でロングコートと、まるで映画「レオン」の俳優ジャン・レノのようなオーラを放っている。来年1月に50才の誕生日を迎える、デビュー26年目のR&B歌手、平井堅である。
暖かい日差しを浴びながら、散歩をしているひとときのようだ。
平井自身は、今年5月、日刊スポーツのインタビューで「歌手も体力勝負。しかも代表曲って若い時に生まれたものだから、それを50、60才になっても歌うのは、実は酷なんです。50才の俳優が、18才のときのセーラー服を毎回やらなきゃいけないと、ちょっと変態になりますが、僕も“いい変態”になれるように」と発言。日々の鍛錬で若さを保っていることを独特の表現で明かしていた。
その言葉通りに、素晴らしいルックスを保ち続けている。
特にこだわるのは体重のコントロールだという。2年前にテレビのトーク番組「おしゃれイズム」(日本テレビ系)に出演した際には、四六時中食べ物のことを考えていると言いながらも、「人生ってままならないことが多い中で、体重だけは頑張れば落ちるじゃないですか。だから、自分でも嫌なんですが、こだわってます」と告白。テレビ出演やコンサートなどで公の場に出る前には、72kgにするという体重管理を徹底していた。
身長183cmで、彫の深い顔立ちの二枚目。しかし、デビュー当時は、あまりにひどい服装ばかりで、スタッフに全部捨てなさいと言われるほど、見た目に無頓着だったという。ある音楽雑誌編集者は「平井さんは、人気がブレークした後も、高級車を乗り回すとか、高級腕時計を揃えるとか、そういう物欲が無いようで、生活が派手になることは一切無ありませんでした。ご自身の中にはコンプレックスもいっぱいあって、とてもナイーブな性格でいらっしゃいます。でも、そうだからこそ、繊細な歌詞、メロディーを制作できるのだと思います」と話した。