ヤクルトとの激闘の末に日本一を逃したオリックスだが、25年ぶりのリーグ優勝に導いたのは4番を打つ杉本裕太郎(30)、遊撃の定位置をつかんだ紅林弘太郎(19)、1・2番コンビの福田周平(29)、宗佑磨(25)といった中嶋聡監督が二軍監督時代に発掘した「中嶋チルドレン」だった。その中の1人、大下誠一郎(24)が結婚前提で交際している女性がいることが分かった。
「ほっともっとフィールド神戸」でのヤクルトとの日本シリーズが終わった4日後(12月1日)、大下は日本シリーズの第3、4、5戦が行なわれた東京ドームにほど近いホテルにその女性を伴って姿を見せた。目撃した人はこう話す。
「夕方5時前頃、大下選手がホテルのロビーにやってきました。少し距離をあけて女優の森七菜(20)似の可愛いらしい女性が歩いてきました。チェックインカウンターから大下選手が“待ってて”とでも言うようにアイコンタクトを送ると、女性はロビーのクリスマスツリーの下でスーツケースを持って待っていました。チェックインを終えると、大下選手は女性とエレベーターに乗り込み、上がって行きましたね」
オリックスの球団広報に問い合わせると、「大下選手に確認したところ、結婚を前提にした女性と東京ドームへ(都市対抗野球を)観戦に行きました」とのこと。球団もお墨付きの関係のようだ。スポーツ紙記者はこう言う。
「この日は彼女と、翌日東京ドームで行なわれる都市対抗野球を観戦するためにホテルに泊まったようですね。翌日(12月2日)の都市対抗野球の1回戦(第5日)・第1試合には大下の白鴎大学時代に2学年後輩だった山田和哉が所属する『JFE東日本』が登場しました。彼を応援するために試合観戦に行ったのではないでしょうか」
大下といえばオリックスのムードメーカー。ベンチから大声を張り上げ、声を枯らしてナインを鼓舞する。その声は球場内にこだまし、オリックス戦の名物となっている。中嶋監督も「元気もあるし、使いたくなる」と評する選手だ。オリックス担当記者は語る。
「試合中に声を出し過ぎて大下の声が裏返ると、中嶋監督が“これなめておけ”とアメを手渡すシーンで歓声が沸き起こるなど、ファンにも定着している」
この日も声を枯らして後輩を応援していたのかもしれない。さらに、大下はラッキーボーイとしても知られている。2019年育成ドラフト6位で入団し、1年目に二軍で結果を残すと9月14日に支配下選手となった。翌日、楽天戦に「8番サード」のスタメンでプロ初出場すると、初打席で勝ち越しの3ランを放った。初打席初ホームランは育成ドラフト出身者では初の快挙だった。
今年は開幕スタメンが期待されたが、オフの自主トレ中に疲労骨折して出遅れた。一軍と二軍をウロウロしていたが、9月7日に新型コロナのワクチン接種の副反応でアダム・ジョーンズ(36)が登録抹消されると、感染拡大防止特例で大下が代替昇格することになった。前出・担当記者はこう話す。
「首位争いをしていた『ほっともっとフィールド神戸』でのロッテ戦に、大下はファームの遠征先だった広島から急遽呼び戻された。到着したのは試合開始後の1回裏だった。8回に代打で登場するとホームランを打ち、9回にはサヨナラヒットを放ってお立ち台に。大下の活躍による劇的勝利でオリックスが首位に返り咲いた」
試合後、中嶋監督は「大下が元気と勢いを持ってきてくれた」と大絶賛。この試合をきっかけに、オリックスはロッテを振り切って25年ぶりにリーグ優勝している。大下は日本シリーズでもベンチから大声を張り上げ、チームを盛り立てた。在阪スポーツ紙デスクはこう話す。
「2年連続最下位からリーグ優勝したオリックスだが、来シーズン以降も若い中嶋チルドレンたちが活躍すれば常勝球団となれる可能性を秘めている。大下はムードメーカーだけでなく、内外野を守れるユーティリティプレーヤー。チャンスにも強く、年俸840万円(2021年)とコスパも高い。来シーズンは中心選手のひとりとなる」
大下の登場曲は歌手・嶋大輔(57)のヒット曲「男の勲章―復活―」。来シーズンも育成の星として、公私共に“つっぱり魂”を見せてもらいたい。