「この傷があってこそ森生という人物像が見えてくるので、すごく大切」と話すのは、俳優の杉野遥亮(26才)だ。その端正な顔にメイクで傷を施して、ドラマ『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ系、毎週水22時~)で“ヤンキー君”こと黒川森生役を好演中。弱視の赤座ユキコ(杉咲花)と偶然の出会いから恋に落ち、関係を育んできた二人の恋模様もいよいよ最終章へ。クライマックスへと向かう、いまの思いを杉野に聞いた。
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森生は、外見はヤンキーだけど内面はピュアですごく素敵な人。精神年齢的には大人な部分もあるので、魅力的に演じるのは難しい役でもありました。役作りをする上でいつも大切にしていることは、内面を掘り下げていくこと。セリフの1つをとっても、森生という人が忠実に浮き出てくるまで考え抜いているんです。森生の物事をストレートに捉えるところは、ぼく自身と似ているんじゃないかなと思っています。
『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』というタイトルではあるんですけど、ぼく自身は恋愛ドラマというよりも、人間ドラマだと思っているんです。キュンキュンさせようという意識はなくて、見てくださっているかたたちに、2人の関係が自然と深まっていくところを見せられたらいいな…と思いながら演じてきました。
ユキコと森生の2人が相手を大切に思う姿、相手をていねいに思う姿がこの作品の見どころ。根底に流れているピュアな思いや、人と人とのつながりから生まれる素敵な関係を皆さんにも再確認していただけるように、最後まで届けていけたらいいな……と思っています。
撮影/樽木優美子(TRON)
※女性セブン2021年12月16日号