国内

月100万円文通費があるのに…自民・小里泰弘議員「郵送代500万円」の謎

小里泰弘氏と収支報告書

小里泰弘氏と収支報告書

 12月6日に召集される臨時国会で、国会議員の“闇給料”とも“お小遣い”とも言われる「文書通信交通滞在費(文通費)」のあり方を見直す歳費法改正が見送られる見通しになった。国民の間で“政治とカネ”に対する関心が高まる中、自民党の小里泰弘・衆議院議員は昨年、毎月100万円の文通費を受け取りながら、総額500万円以上の「郵送代」を政治資金で支出していたことが分かった。

 文通費は国から毎月100万円(年間1200万円)が議員の給料(歳費)と同じ口座に振り込まれ、所得税や住民税が課税されない。本来はその名の通り郵便代や電話代、国会(東京)と地元選挙区との交通滞在費などの経費として支給されるが、使途の報告が不要なため、事実上の副収入となっている実態がある。

 総務省が11月26日に公開した国会議員の政治資金収支報告書(令和2年分)を精査すると、文通費が正しく使われているのかと疑問を抱かざるを得ない記載があった。

 農水副大臣や環境副大臣を務めた小里氏(鹿児島3区)の資金管理団体「全国泰山会」は、「郵送代」「送料」「ハガキ代」として合わせて135件、総額525万2221円を支出していた。ほとんどは日本郵便への支払いだ。

 小里氏といえば、2019年、会員制ラウンジで働いていた一流私立大学の女子学生と“愛人契約”を結び、手切れ金を請求されて支払ったというスキャンダルが報じられた。そうした影響もあってか、今回の総選挙では大苦戦し、選挙区では敗北。比例代表九州ブロックの最下位当選でかろうじてバッジを守った。

 昨年は衆院の任期満了まで1年余りとなって解散風が吹きまくり、そのうえコロナの感染拡大で地元活動も思うに任せなかった。そんな中、苦戦が予想されていた小里氏陣営が地元向けに多くの郵便物を出したのだろうか。

 しかし、そもそも国会議員は支援者などに会報やチラシなどを郵送することが多いからこそ、国から年間1200万円もの「文通費」を支給されている。郵便代はそのカネで賄うのが目的にかなった使途のはずだ。それなのに500万円以上もの郵送代を資金管理団体から支出したのはなぜなのか。

 小里事務所に理由を聞くと、「政治資金は、法令に従い適正に処理し、その収支を報告しているところです。ご質問の支出も当該政治団体での政治活動にかかる支出であり、報告しているところです」と答えた。

 結局、文通費は“使途不明”のままということか。

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン