「死後の世界への旅仕度」を解説した最新著『あの世の歩き方』がベストセラーになっているスピリチュアリスト江原啓之氏。ある程度年齢を重ねると、「自分の葬式をどうするか?」と考える場面も訪れるが、江原氏が考える葬式のあり方はどんなものなのか? 『週刊ポスト』誌上で語った。【全3回の第2回】
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この世じまいで重要なのは、生きているうちに粛々と死の準備を進めることです。残された者に迷惑をかけないためにも、あらゆる面に配慮して備えをしておきましょう。
そのなかで最も重要なもののひとつが葬式です。宗派や葬儀業者をどうするかなどの悩みやトラブルを避けるには、事前に家族に葬儀の仕方を伝えておくことが重要です。同時に、“本当に華やかである必要があるのか”を考えましょう。
昔は世間体や見栄などから盛大な葬儀をする傾向にありましたが、昨年から今年にかけては「コロナで亡くなったので身内で葬儀を済ませました」との通知が来るケースが散見されました。これは多くの人が、「葬式は家族内で温かく見送れば良いんだ」と思うようになったことの証左です。
むしろ私は残された者に迷惑をかけないためにも、生きているうちに呼びたい人を集めて密やかに行なう「生前葬」でも良いと思っています。
スピリチュアルの視点から言えば、葬式は「故人が死んだことに気づくため」にあります。
だから家族や親戚、友人や知人が亡くなった時は、「あなたは死にましたよ」と心の中で語りかけてほしい。その声がテレパシーで故人に届いて、「あ、私って死んだのね」と気づけば、それだけで葬式は完了です。
つまり、故人が「死んだ」と気づけるなら、かたちにこだわる必要はありません。かたちばかり大きくしても、故人が喜ぶわけではないのです。
(第3回につづく)
【プロフィール】
江原啓之(えはら・ひろゆき)/スピリチュアリスト。一般財団法人日本スピリチュアリズム協会代表理事。1989年にスピリチュアリズム研究所を設立。また、オペラ歌手としても活躍。『人間の絆』『自分の家をパワースポットに変える最強のルール46』ほか著書多数。最新刊は『あの世の歩き方』(小学館刊)。
※週刊ポスト2021年12月17日号