国内

ステージIVのママも生前、警鐘 「女性の大腸がん」を避けるためにできること

ステージIVの大腸がんを患いながら、23才で娘を出産した(2020年7月。写真提供/遠藤和さん)

ステージIVの大腸がんを患いながら、23才で娘を出産した(2020年7月)

「早期発見のために動くことが大事」。そう生前に発信していたのが、21才で大腸がんステージIVを宣告された遠藤和(のどか)さん(享年24)だ。彼女が娘のために遺した日記をまとめた書籍『ママがもうこの世界にいなくても』が12月1日に上梓された。

 和さんは18才頃から、たびたび激しい腹痛に襲われていた。

《いつも、みぞおちの左側のところ。前ぶれなく、いきなりガツンと強い痛み。時間が経つと、徐々に治まっていく。》(同書からの引用)

 しかし、病院での診断結果は、はっきりしたものではなく、和さんがステージIVの大腸がんだと診断されたのは、21才のときだった。最初に違和感を覚えたときから3年が経っていた。

 最新の国立がん研究センターのデータによると、女性の大腸がんの年間罹患数は、乳がんに続く第2位で、6万5840人。死亡数では1位で、2万4004人だった。また、同センターの最新予測によれば、2021年に大腸がんで命を落とす人は2.5万人を超えるとされ、第2位の肺がんとは3000人以上も差がある。

 そんな大腸がんを少しでも遠ざけるためにできることはあるのだろうか。聖マリアンナ医科大学臨床腫瘍学講座教授の砂川優さんはこう話す。

「便潜血検査やCTでは、確定的な診断ができないことが多い。少しでも疑わしいと思ったら、必ず内視鏡検査を受けてください。大腸がんは、内視鏡検査で採取した組織を生体検査に回して診断を確定するので、やるしかない。

 大量の下剤をのむ必要があり、肛門からカメラを入れるので忌避する女性もたしかに多いですが、最近は検査機械のスコープも改良が進み、麻酔で寝ている間に行えるようになったので、苦痛に耐えながらやる検査ではなくなりました」

 福岡大学医学部消化器外科教授の長谷川傑さんも続ける。

「アメリカでは検診として大腸内視鏡検査が推奨されています。その結果、近年は大腸がんの発見率が高まり、死亡率も下がりました。しかし、日本ではまだ死亡率が高止まりしたままです」

 内視鏡で発見したがんが初期であれば、その場で切除することも可能だ。

「初期の自覚症状としてわかりやすいのは、前はそうでもなかったのに便秘や下痢をするようになるなどの排便習慣の変化です。残便感や、便が出きらないなどもあります。さらに、明らかに便が出にくくなる、腹痛を伴うなどの症状が出てくると、がんは進行しているケースが多い。その前に検査で見つけることが重要です」(砂川さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
“鉄ヲタ”で知られる藤井
《関西将棋会館が高槻市に移転》藤井聡太七冠、JR高槻駅“きた西口”の新愛称お披露目式典に登場 駅長帽姿でにっこり、にじみ出る“鉄道愛”
女性セブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン
胴回りにコルセットを巻いて病院に到着した豊川悦司(2024年11月中旬)
《鎮痛剤も効かないほど…》豊川悦司、腰痛悪化で極秘手術 現在は家族のもとでリハビリ生活「愛娘との時間を充実させたい」父親としての思いも
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン