国内

2021年「政治家の失笑発言大賞」、勝手に選定してみた

森喜朗氏は「発言の前後が消えている」と報道を批判するが(AFP=時事)

森喜朗氏は「発言の前後が消えている」と報道を批判した(AFP=時事)

 口は災いの元、だが政治家はその言葉こそすべてだ。コラムニストの石原壮一郎氏が指摘する。

 * * *
 2021年も、あとわずか。去年から続いたコロナ禍、ワクチン騒動、東京オリンピック・パラリンピック、衆議院選挙、総理大臣の交代、鉄拳の素顔公開……などなど、大きな出来事がたくさんあった一年でした。そんな中で、政治家の“トホホな発言”も花盛り。誰がどんなことを言ったかを忘れないために、印象的な発言を振り返ってみましょう。

 呼び方ですが、「失言」だと「悪気なくうっかり口がすべった」というニュアンスになりかねません。多くは「暴言」のほうがふさわしそうですけど、年末にケンカ腰になるのも控えたいところ。本人は大真面目に発しているものもあります。批判や軽蔑や呆れた気持ちをより強く込めるために、まとめて「失笑発言」と呼ぶことにしました。

【政治家の失笑発言大賞トップ10】(肩書は当時、飛び出した順)

●森喜朗東京オリパラ組織委員会会長「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」(2月)
●小泉進次郎環境大臣「プラスチックの原料って石油なんですよね」(3月)
●河村たかし名古屋市長「最大の愛情表現だった。金メダル獲得は、あこがれだった。迷惑を掛けているのであれば、ごめんなさい」(8月)
●菅義偉首相「そのようなご指摘は当たりません」(9月など多数)
●岸田文雄自民党総裁「岸田文雄の特技は、人の話をしっかり聞くということであります」(9月)
●麻生太郎副総理「温暖化したおかげで北海道のコメはうまくなった」(10月)
●吉村洋文大阪府知事「ブーメランが刺さりました」(11月)
●二階俊博自民党元幹事長「(菅前首相に)『辞めてもらう』とか言う資格があるか。任命権者だと思っていたら大間違いだ」(11月)
●福田達夫自民党総務会長「この事務費はしっかりとすぐに(市中に)流れるので、考えようによっては経済対策の一部にはなる」(12月)
●石原伸晃内閣官房参与「まだ十分に体力、能力ともにあると思っているので、役に立つアドバイスをしたい」(12月)

 順に振り返ってみます。森氏の発言は激しい怒りを買い、翌日あわてて謝罪会見を開きました。しかし、開き直りとも逆ギレとも取れる態度でさらなる批判や失笑を集め、結局会長を辞任することになります。小泉氏はラジオ番組で得意げにこう発言。聞いていた多くの人は、失笑しつつ「知ってるよ!」と突っ込んだことでしょう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

打撃が絶好調すぎる大谷翔平(時事通信フォト)
大谷翔平“打撃が絶好調すぎ”で浮上する「二刀流どうするか問題」 投手復活による打撃への影響に懸念“二刀流&ホームラン王”達成には7月半ばまでの活躍が重要
週刊ポスト
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
第75代横綱・大の里(写真/共同通信社)
大の里の強さをレジェンド名横綱たちと比較 恵まれた体格に加えて「北の湖の前進力+貴乃花の下半身」…前例にない“最強横綱”への道
週刊ポスト
地上波ドラマに本格復帰する女優・のん(時事通信フォト)
《『あまちゃん』から12年》TBS、NHK連続出演で“女優・のん”がついに地上波ドラマ本格復帰へ さらに高まる待望論と唯一の懸念 
NEWSポストセブン
『マモ』の愛称で知られる声優・宮野真守。「劇団ひまわり」が6月8日、退団を伝えた(本人SNSより)
《誕生日に発表》俳優・宮野真守が30年以上在籍の「劇団ひまわり」を退団、運営が契約満了伝える
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン