国内

「トー横キッズ」の少女を売りさばく歌舞伎町・悪徳スカウトの手口

「トー横キッズ」の少女たちをビジネスにする勢力が…

「トー横キッズ」の少女たちをビジネスにする勢力が…

 11月27日、歌舞伎町の雑居ビル屋上で18~26歳の少年4人が43歳の男性に暴行を加え、死亡させる事件が発生した。4人は12月5日までに警視庁により逮捕されたが、犯人グループが歌舞伎町「新宿TOHOビル」周辺で日常的にたむろする“トー横キッズ”の一員であったことが報じられ、その存在は急速に拡散された。

 2018年時点からトー横キッズの初期メンバーと交流をしていたという、ライターの佐々木チワワ氏が語る。

「トー横キッズはもともと、SNSのハッシュタグ『#自撮り界隈』『#裏垢男子』などをつけて自撮りの写真や動画を投稿する、10代の男女を中心としたコミュニティでした。帰る場所がなくお金もない少年少女が多いので、路上でたむろすることになるのですが、そこに歌舞伎町のスカウト、営業時間外のホストも合流したことで、“トー横”は混沌とした路上飲みの場所となったのです」

 未成年飲酒、市販薬のオーバードーズ(過剰摂取)、暴力事件など様々な犯罪や非行が話題に上がるが、少女が援助交際や管理売春に巻き込まれることも、トー横キッズを取り巻く現実のひとつだ。

「トー横に座り込む明らかに未成年の少女に、中年男性が『君いくら?』と声をかけ、そのまま一緒にラブホテル街に消えていくこともありました」(佐々木氏)

 トー横キッズを自称する少女のAさん(17)に話を聞くと、マッチングアプリを用いて少女を援助交際に斡旋する、悪徳スカウトの巧妙な手口が明らかになった。

「トー横で知り合ったスカウトの人が、女性名義でアプリに登録しているんです。アプリで知り合った男性にメッセージ上で“実は私より可愛い子がいるんだけど、紹介するから選んで?”と、私を含む複数名の女の子の写真を見せていると聞きました。そこで私が選ばれるとスカウトの人から場所と報酬金、服装のオーダーなどの連絡が入るんです。その後、所定の場所に行き、マッチングした男性に会います」(Aさん)

 2003年以降施行されている「出会い系サイト規制法」により、マッチングアプリには18歳未満の使用禁止という年齢制限がある。悪徳スカウトはマッチングアプリを使用する男性をターゲットに、未成年の売春を斡旋していることになる。

 12月4日深夜には、歌舞伎町で17人の未成年の少女が私服警官によって一斉に補導されるなど、警視庁は取り締まりを強化している。未成年の不幸な非行を防ぐために、社会全体が彼らの非行理由を改めて考える必要があるだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト