2021年は、お茶の間を楽しませてくれた著名人の訃報が相次いだ。人々に勇気や笑顔を与えてくれた彼らは、どんな言葉を残したのか。在りし日をよく知る人に、思い出に残る秘話を語ってもらった。
「君たちがいて、僕がいる」「ごめんくさい、あ、こりゃまたくさい」「……じゃあ〜りませんか」。多くの名ギャグを生み出し、吉本新喜劇の舞台で活躍した喜劇俳優の故・チャーリー浜さん(享年78)。
新喜劇の舞台で座長を務め、チャーリーさんと共演していた、芸人のすっちー(49才)は、その素顔を次のように明かす。
「ふだんから豪快で、とにかく声が大きい。あんまり真面目な話はしたことがなかったですね。ぼくらは本番前、緊張するから台本を開いて、自分の出番やせりふを確認するんですけど、そんなぼくらを見つけると、決まって『舞台はフィーリングや!』と言っていました。それは、『あれこれ考えるよりも、舞台ではその場の空気を読んで、笑かしたらええねん』という意味だったと思います。そのせいか、本人も舞台でせりふをよく間違えていましたけど(笑い)。
何があっても、最終的にはチャーリーさんが舞台に出て、ひと言発するだけで笑いが起きて場の空気が変わる。根っからの芸人だったと思います」(すっちー・以下同)
お酒が好きで、若手を引き連れて飲み歩くこともたびたびあった。
「『いまから飲みに行くぞ!』って言われて時計を見たら、午後2時半(笑い)。そんな時間から大阪の街で飲み歩くこともありました。途中、タクシーで移動するとき、『昔はここにおれの土地があった。そやけど、離婚したときに全部取られてもうたわ! アッハッハ』って豪快に笑っていた。結婚も離婚も4回して、私生活もハチャメチャな人でしたね。
そんなふうに生きているときの印象が強すぎて、亡くなったことが本当に信じられない。いまでも生きてるんちゃうかなって、思うことがあります。それだけ、存在自体にパンチ力のある人だったんでしょうね」
【プロフィール】
すっちー/芸人。2014年から吉本新喜劇座長に就任。おかっぱ頭にそばかすのキャラ「すち子」でおなじみ。
※女性セブン2022年1月6・13日号