漫才日本一を決める『M-1グランプリ2021』(ABC・テレビ朝日系)の決勝戦が12月19日に開催され、ボケ担当の長谷川雅紀(50才)とツッコミ担当の渡辺隆(43才)の漫才コンビ・錦鯉(ソニー・ミュージックアーティスツ)が17代目王者となった。
今年のM-1は、インディアンス、真空ジェシカ、モグライダー、ゆにばーす、ロングコートダディ、オズワルド、錦鯉、もも、ランジャタイの9組に加え、敗者復活戦からハライチが決勝に進出。ファーストラウンドを勝ち抜いたオズワルト(1位通過)、錦鯉(2位通過)、インディアンス(3位通過)の3組でファイナルラウンドを戦い、錦鯉5票、オズワルド1票、インディアンス1票で、錦鯉が優勝となった。
“史上最年長王者”となった錦鯉に対しネット上では、〈ここまで頑張って良かったですね!中年のパワーに勇気を貰いました!〉、〈錦鯉、、、感動で号泣しました 諦めないでよかった の言葉がぐっと刺さりました!〉、〈苦労が報われた涙の優勝。感動的でした〉などの声が。多くの視聴者が、錦鯉の栄冠に感動していた。
また、〈当然ハマるハマらないはあったけど、どの組も特徴がはっきりしていて飽きなかったなあ〉、〈誰が優勝しても納得できる内容で、今年は面白かったです〉、〈決勝進出者の層の厚さだったら近年一番だった。10位まで全部面白かった〉など、大会全体に対する評価も高い。
昨年のM-1では、優勝したマヂカルラブリーのネタについて“漫才かどうか”という議論がネット上で勃発。しゃべくりではなく、肉体的な動きで笑いを取ったマヂカルラブリーに対して批判的な声もあがっていた。
しかし、今年のM-1では、結果について強く反発するような意見は目立っていない。それはいったいどうしてなのだろうか。第1回から欠かさずM-1グランプリをウォッチしているという、エンタメ事情に詳しいライターの大塚ナギサ氏はこう分析する。
「今年のM-1決勝戦は、10組中5組が初めての決勝進出で、かなりフレッシュなメンバーで戦われました。さらに、個性的なネタをするコンビが多く、どのような展開になるのか予想しにくい大会でもあったんです。
でも蓋を開けてみたら、昨年も決勝に進出していたオズワルド、錦鯉、インディアンスの3組がファイナルラウンドに進むという、ある意味“順当な展開”になっていました。この3組は、ほかのコンビに比べると、比較的“好み”に左右されないネタで、審査員の評価も総じて高かった。だからこそ、多くの視聴者も納得したということでしょう。
そして、重要なのが“意見が分かれるタイプ”のネタを披露したランジャタイやハライチも、決してスベっていたわけではなく、ちゃんと大きな笑いを取って、自分たちのやりたいお笑いを体現できていたことです。彼らだけでなく、全組がちゃんと個性を発揮しながらも、より多くの人に受け入れられやすいタイプのネタが高得点となったことで、大会全体の評価も高まったのだと思います。まさに、初出場組が爪痕を残して、常連組が結果を残した大会でした」