「ぼくはKinKi Kidsを愛して、年の差を考えずに親友と語るようになるには、いきさつがあったんです」。吉田拓郎(75才)は自身のラジオ番組で2人との関係性をこう切り出すと、知られざるエピソードを次々と披露した。吉田が語った26年目の真実──。
東京ドームの広いステージ上にセッティングされたのは、たった1台のグランドピアノ。KinKi Kids(以下、キンキ)の堂本光一(43才)と堂本剛(42才)が登場し、ピアノの旋律に歌声を乗せてハーモニーを奏で始める。
曲目は、特別な一年の幕開けにふさわしい『新しい時代』。2022年1月1日、今年25周年を迎えるキンキの元日コンサート『KinKi Kids Concert 2022』が幕を開けた瞬間だった。
コロナ禍でのコンサートのため、観客は「着席・歓声なし」での開催となった。静まり返った会場、ピアノのみという伴奏が、2人の歌声を際立たせた。澄み切った歌声がドームいっぱいに響き渡ると、自然と涙を浮かべるファンも少なくなかった。開催にこぎつけた光一と剛の心情に思いを馳せ、感極まったのかもしれない。
「昨年の11月19日にコンサートの開催が発表されたのですが、その日の夜に光一さんが有料ブログに開催の経緯をアップしました。そこには、キンキの元日コンサートはコロナの影響もあって厳しいといわれていたのに、12月30日に『ジャニーズフェスティバル』が開催されると聞いて、疑問に感じたこと。それならばキンキもと、光一さんの提案で元日コンサートが決定したことが記されていました。
光一さんは心待ちにしてくれているファンのためにも、元日コンサートを実施したかった。ファンとしては、その気持ちがうれしかったのです」(芸能リポーター)
開催が決まってからも、乗り越えなくてはならないハードルはいくつもあった。
準備期間があまりにも少なく、新たなセットは作れない。そのため、30日開催のジャニフェス、31日のジャニーズカウントダウンコンサートのセットが流用された。そんななかでも、光一はサプライズを用意していた。
コンサートが終盤に差し掛かったときだった。突然、巨大スクリーンが開いてオーケストラが現れ、11曲目の『Topaz Love』の伴奏が始まった。
重厚なオーケストラをバックに歌い終えると、2人は声を揃え「2022年もよろしく」「本日は本当にありがとうございました」と挨拶した。そして「最後はこの曲で」と、再びオーケストラの演奏に乗せて『硝子の少年』を歌い上げたのだった。