眞子さんの結婚は、皇族数の減少、皇室の在り方など、さまざまな課題を残した。2022年は、否応なく皇室の未来についての決断を迫られる年となるだろう。この問題について小林よしのり(漫画家)、倉田真由美(漫画家)、三浦瑠麗(国際政治学者)の3氏が座談会を行った。【全3回の第2回】
小林:結婚するには国民の理解が必要となったら、佳子さまや愛子さまはどうやって結婚相手を見つけるの?
倉田:何かしら人間には瑕疵がありますからね。小室さんへの批判が是認されると、普通の男性は二の足を踏みますよ。
三浦:つき合った瞬間から、家族、親族のプライバシーはなくなりますからね。だから、皇族の方々も、反論や抗議が許される風潮を作らないと。
倉田:いや、それはちょっと危険な気がします。反論しないから守られている部分もあって、対決姿勢を取るとさらにエスカレートしかねない。天皇制そのものの存在が危うくなると思う。
小林:もう十分、危うくなっていますよ。
三浦:こういうことが続くと、皇族の方々のほうが耐えられなくなる。眞子さんは、あの結婚会見ですら、相当抑制していたと思うんですよ。
小林:秋篠宮さまは、反論する権利を、一定程度認めるべきと言っているけど、ある記事の一部分の間違いを指摘すると、他はすべて事実なのかとなりかねないのが難しいとも言っている。
倉田:デマや誹謗中傷が山のように出ていて、それを全部指摘していくのは無理ですよ。
三浦:昔の天皇家は、表向きの権威主義体制のトップとしての顔とともに、内々の世界を持っていました。昭和天皇が戦争に加担してしまったことを拭い去るために、今の上皇さまは平成の御代に公務に積極的に取り組んで、国民の天皇になろうとしました。だから、国民と天皇家との距離が近くなりすぎてバッシングさえ起きた。距離感を少し戻したらどうでしょう。
倉田:公務を減らす?
三浦:そう。徹底的に反論するか、あるいは公務を減らして、注目を浴びないようにするか、どちらかしかないように思うんですけどね。
小林:だけど、公務がないと皇室の人たちもモチベーションがもたないんですよ。やりがいがなくなってしまう。
三浦:上皇さまは公務にやりがいを求めた人でしたね。だけど、次の天皇、あるいはその次の天皇が何にモチベーションを求めるかはわかりませんよ。
倉田:この問題は難しい。答えが出ない。
(第3回に続く。第1回はこちら)
【プロフィール】
小林よしのり(こばやし・よしのり)/1953年生まれ、福岡県出身。漫画家。近著に『ゴーマニズム宣言SPECIAL コロナ論4』(扶桑社)、井上正康氏との共著『コロナとワクチンの全貌』(小学館新書)。
倉田真由美(くらた・まゆみ)/1971年生まれ、福岡県出身。漫画家。一橋大学商学部卒。『だめんず・うぉ~か~』(扶桑社)でブレイク。他の著書に『もんぺ町ヨメトメうぉ~ず」(小学館)など。
三浦瑠麗(みうら・るり)/1980年生まれ、神奈川県出身。国際政治学者。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。株式会社山猫総合研究所代表。近著に『日本の分断』(文春新書)。
※週刊ポスト2022年1月14・21日号