芸能

『ザ・ベストテン』秘話 リクエストはがき週20万通、組織票は人力で除外

黒柳徹子

父は天才ヴァイオリニストといわれた黒柳守綱氏。1980年代、久米・黒柳の2人は毎週木曜日の顔となり、息の合った名司会で番組を盛り上げた(写真はインスタより)

 最高視聴率41.9%を記録した伝説的な音楽番組『ザ・ベストテン』(TBS系)。一般的な音楽番組というと、人気のある出演者をキャスティングする方式が多かったが、『ザ・ベストテン』は、楽曲のセールス等のデータを基に厳正なランキングを作成し、上位10曲を紹介する内容となっている。

 ランキングを決めるのは、レコード売り上げ、ラジオ放送・有線放送のリクエスト、視聴者はがきの4要素。

 当時はパソコンでなく、局内にある約10畳のコンピューター室で順位が算出された。同番組元ディレクターの宇都宮荘太郎さん(68才)が振り返る。

「はがきは多いときで週20万通以上届きましたが、組織票を防ぐため、約10名のアルバイトが同じ筆跡や消印のものを除外。はがきに書かれた質問がトークのネタに採用されることもあり、それを選ぶ放送作家の1人に若き日の秋元康さん(63才)の姿もありました」

ソファ席は居間・応接間を、ミラーゲートは栄光の扉をイメージ

『ザ・ベストテン』の常設セットには、それぞれ狙いがあった。同番組で美術デザイナーを務めた三原康博さん(84才)が、秘密を明かす。

「ランキングボードは演出家から『空港のフライトボードのように』との要望を受けて作りましたが、当初は『パタパタと音がうるさいのでは』と心配する声もあった。でも、ぼくは音がした方が臨場感があると考え、あえて音を消す努力をせずに、パタパタでいくことになりました。

 ソファ席は黒柳徹子さんが母親のようにゲストを迎えるアットホームな居間。ミラーゲートはランクイン歌手の栄光の扉で『あの歌手は来てくれるのか?』と期待に胸をふくらます異空間の入り口をイメージしました。鏡張りのデザインは同僚の飯田稔さんのアイディアでした」

取材・文/北武司

※女性セブン2022年1月20・27日号

父は天才ヴァイオリニストといわれた黒柳守綱氏

名司会ぶりで番組を盛り上げた

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