国内

繁華街で逆ナンされた女子2人組に「2軒目のバー」ですすめられたもの

「絶対に割り勘にする」と言う逆ナン女子に連れて行かれた二軒目ですすめられたものは(イメージ)

逆ナン女子に連れて行かれた2軒目ですすめられたものは(イメージ)

 2020年の犯罪情勢をまとめた2021年版犯罪白書によると、刑法犯認知件数は前年比で約18%減少したものの、インターネットなどを使った詐欺の検挙件数は前年より32.8%増加した。であればSNSなどのやりとりに注意を向けていればよいだけなのかというと、自粛生活から解放され、リアル世界に出てきた人々の気の緩みにつけこむ人たちもいる。ライターの森鷹久氏が、街角での逆ナンパを利用した投資などへの勧誘手口についてレポートする。

 * * *
 東京・新宿区の繁華街──。

 コロナ感染者数が激減したこと、さらに年末だったことも手伝い、街にはかなり多くの人出が確認できた。その中でも「彼女たち」の行動は、一際目立っていた。若い女性に人気の、すぐ近くの駅ビルに入っているショップの紙袋を下げ、タイツにフリルのついたミニスカートという出立ち。派手すぎず地味すぎず、しかし男の目を引く魅力がある、という事実だけでなく、それ以上に興味を引いたのは、その若い2人の女性が次々に男性を「逆ナン」している、すなわち女性から道行く男性に声をかけていたことだった。

「いや……急に声かけられて、居酒屋知らないかって。ライン交換しましょうと言われて交換しましたけど……。これって、まさか……美人局じゃないでしょうね?」

 ナンパといえば男性が女性に声をかけるのが相場で、逆ナンは話には聞いても体験したことがない人の方が多いだろう。そして、大半の男性は逆ナンされるのは誰が見ても魅力的な男性であって、普通の男である自分は対象外だろうと無意識に理解しているものだ。だから突然、かわいい女性から逆ナンされて、その気になり関係を結びそうになると、女性が怖い彼氏と共謀して自分を恐喝する「美人局」のターゲットにされたのではないかと不安に思ったのだろう。

 筆者が声をかけたときに素直に恐れる気持ちを打ち明けてくれた男性は、冒頭で紹介した不自然な2人の女性から逆ナンされた都内在住の会社員・中村正太さん(仮名・20代)。女性が立ち去った後すぐに声をかけたため、筆者自身が美人局でいうところの「恐喝役」だと勘違いした。しかし、これは美人局ではなく、若い女性2人による「マルチ商法」もしくは「マルチまがい商法」への勧誘なのだ。

 女性らは中村さんに声をかけたあとも、スマホを片手に周辺を彷徨っていた。彼女たちが声をかけるのは一人きりの男性のみ。新宿といえば、最先端のファッションに身を包んだ若者や、ホストやキャバクラ嬢など水商売系の人々も多く目にするが、そういった人種は避け、落ち着いた見た目の人ばかりに声かけをしていた。いや、中村さんには悪いが、はっきりいえば、地味でいかにも女性に縁遠そうな一人きりの男性ばかりだ。女性2人が別の男性に声をかけている様子を遠目で眺め、中村さんはため息をついた。

「最初、このあたりで美味しい居酒屋を知らないか、と聞かれました。かわいい子だったから、新宿は疎いけどスマホで調べてあげたんです。すると今度は『よかったら一緒に行かないか』となって。この後、大学のゼミの先生と食事会だったんですが、それがなければ確実についていきましたよ。逆ナン? 人生で初ですよ、この話を聞かなかったら幸せなままだったのに……」(中村さん)

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン