冬季五輪を最も揺るがした事件といえば、米女子フィギュアスケート選手のトーニャ・ハーディング(51)がライバルに起こした「ナンシー・ケリガン襲撃事件」だろう。
この事件により、全米スケート協会から永久追放の処分を受けたハーディングは、その後も元夫とのセックスビデオの流出、恋人への暴行事件などで世間を騒がせ続けた。
彼女が再び脚光を浴びたのは、2017年に半生を描いた映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』が公開された時のこと。撮影時には主演女優にスケートの指導を申し出るなど、積極的に映画作りに携わっていた。
ニューヨーク在住のノンフィクションライター・田村明子氏が話す。
「ハーディングが虐待を受けながら育ったなど同情的な視点で作られたことでも話題を集め、映画は大ヒット。当時は彼女も映画のトークショーなどに登場していました」
その後は地道な生活を送っているという。
「映画公開時にはワシントン州で大工仕事などをしながら暮らしているようでしたが、現在はバンクーバーに居を移し、再婚した夫と息子とともに“一般人”として平和に暮らしているそうです。育児に専念中で、もうフィギュア界に戻りたい気持ちはなく、再び表舞台に出てくることはないかもしれません」(同前)
ついに「落ち着ける場所」を見つけたのか。
※週刊ポスト2022年1月14・21日号