医師の診断を受けていない人まで含めると、推定発祥者数が500万人超とも言われる脊柱管狭窄症は、脊柱管が狭くなった結果、内部の神経が圧迫され、痛みやしびれを引き起こす病気だ。健康を保つために必要なのは、適度な運動だが、脊柱管狭窄症を発症すると、痛みやしびれでつい運動不足になりがちなため、意識的に体を動かすよう努力してほしい。
自分のペースで快適に歩くのが吉
もし日常生活での動作だけでは運動不足と感じたら、まずは自分のペースを守ってのウォーキングからスタートを。いつでもどこでも始められるセルフケアとして、ウォーキングは最適だ。
歩いてしばらくすると脊柱管が狭くなり、人によっては神経が圧迫されて痛みやしびれが出てくるかもしれない。そんなときは迷わず小休止。無理せず休み、症状が収まったところでまたゆっくり歩き出せばいい。ウォーキング・ルート上の休憩ポイントを、事前に幾つかキープしておくのも良策だ。
仲の良い家族や友人と一緒に歩くと、気持ちに張りが出て長続きしやすい。ひとりなら、万歩計の数字を励みに。なお、ヒールの高い靴は脊柱管が狭くなりやすいので普段から避けたい。
逆に、何事も頑張り過ぎる人はウォーキングでも注意が必要。脊柱管狭窄症由来の症状を我慢して歩き続けると、神経が傷つく恐れがある。さらに感覚の鈍い脚を踏み外して転倒しうっかり骨折でもしたら、ますます運動できなくなってしまう。健康な人と一緒にウォーキングをする際でも、調子が悪くなったら相手に遠慮せず「私はここで少し休んでいく」と伝える勇気を持ちたい。