ここ10年で発祥者数が着実に増えている脊柱管狭窄症。脊柱管が狭くなった結果、内部の神経が圧迫され、痛みやしびれを引き起こす病気だ。ここまでメジャーな存在になってしまった理由の1つは高齢者人口の増加だが、日常生活で正しい姿勢を取ることで回避することは可能だ。すべては日常生活の姿勢や動作の積み重ね。腰痛回避のため、普段からやれることはストレッチ以外にもたくさんある。歩き方から荷物の持ち方まで、日頃の自分を省みよう。
【正しい歩き方】
ゆっくりでもいいので、堂々とした姿勢を崩さないこと。競歩選手のイメージで、やや大きめの歩幅を保ち、腕も元気よく振り上げる。歩いている間、重心の7割を後ろ足にかけることを意識して。
【椅子の正しい座り方】
座っている時間が長いほど、その間の姿勢が将来の脊柱管を形作る。悪い姿勢のまま座っていると腰に負担がかかって痛みが生じ、腰が痛いと座ること自体がツラくなる……という悪循環を絶とう。
【掃除機をかけるときも胸を張る】
床に目をやり、猫背で動いてしまう掃除機作業。掃除機の長さが短くても、ひざを曲げて高さを調節し、背中はできるだけ伸ばしたい
【低い作業台なら脚を開いて】
台所などでの立ち仕事でも、背筋は伸ばして。作業台の高さに合わせて前傾することなく、脚を両側に大きく開いて高さ調節を
【肩掛けバッグは後ろに】
前に重い荷物を抱えると、人はどうしても前かがみになる。肩掛けバッグなら後ろへ回し、胸を張ってさっそうと歩こう。
【すきま時間にモモ裏伸ばし】
椅子や階段(2段ほど上)に痛いほうの脚をかけ、足首を外側へまわす。ひざの少し上を手で押さえ、体重をかけながら1~3分キープ。モモ裏から尻を伸ばすイメージで。
取材・文/山本真紀 撮影/黒石あみ モデル/PT.natsu Instagram(@natsu_fit02)
※週刊ポスト2022年1月14・21日号