新たな年がスタートし、心機一転。2022年はすっきり“デトックス”して過ごしたいという人は多いはずだ。「デトックス」と聞いて思い浮かぶのは、やはり便秘の改善。腸内環境を整えるためにはまず、腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスを整える「プロバイオティクス」を摂取することだ。恵比寿形成外科・美容クリニック院長の西嶌順子さんはいう。
「いわゆる『善玉菌』と呼ばれる、乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌が多い食べ物のことです。ヨーグルト、納豆、キムチ、みそ、ぬか漬け、チーズといった発酵食品が代表的です」(西嶌さん)
それと同時に摂取してほしいのが、善玉菌のえさになって相乗効果を生む「プレバイオティクス」で、これは食物繊維やオリゴ糖を指す。食物繊維には、ごぼうやきのこ、枝豆などに多い「不溶性」と、海藻類や大麦などに多い「水溶性」の2種類があり、これも偏りなく摂取した方がいい。管理栄養士の菊池真由子さんはいう。
「不溶性食物繊維は、腸内の老廃物や水分を集めて便のかさを増して腸を刺激する“ほうき”のような役割を果たす一方で、水溶性食物繊維は腸内の水分を吸収してドロドロのゲル状になり、便を軟らかく排出しやすくする“洗剤”のような役割を担っています。モロヘイヤやブロッコリーには、不溶性と水溶性の両方の食物繊維が豊富です」(菊池さん・以下同)
食物繊維は、米や麺などの炭水化物にも豊富だ。なかでも、水溶性食物繊維が多いのは、意外にもパスタだという。
「パスタは太りやすい食べ物だと思われがちですが、実は炭水化物の中では比較的太りにくい。1食分に含まれる量を計算すると、ご飯1膳(約150g)あたりに含まれる水溶性食物繊維が2.3g、うどん1杯(約200g)で2.6g、食パン1枚(5枚切りで約70g)で3gなのに対し、パスタ1人前(乾麺で100g)に含まれる水溶性食物繊維は5.4gと、倍近い量なのです」
市販のソースの添加物や、小麦そのものに含まれるアレルギー性物質のリスクがないわけではないため、食べ方や頻度には注意が必要。だが少なくとも、ダイエットには心強い味方になりそうだ。
※女性セブン2022年1月20・27日号