国内

第6波襲来で岡田晴恵氏に聞く「ワクチン2回接種は意味がなかったのか」

東京都の新規感染者も急増した(時事通信フォト)

東京都の新規感染者も急増した(時事通信フォト)

 新型コロナウイルス「第6波」が襲来、急拡大するオミクロン株とはいったい何なのか。「コロナの女王」岡田晴恵・白鴎大教授にオミクロン株に関する疑問をぶつけた。【全4回の第2回。第1回はこちら

 * * *
Q. どういう症状があったら検査すべき?

A. そもそもが、新型コロナは症状がなくても検査をして感染者を見つけ、拡大を防ぎましょうという議論でした。日本の検査数は海外先進諸国と比べてまだ少ない状況です。無症状の人が感染を広めるからこそ、速やかに検査できるシステムを拡充することが重要でした。今は、抗ウイルス薬の早期投与開始のためにも早期検査が必要です。

Q. 過去に感染した人やワクチン2回接種した人も感染する?

A. ワクチン2回接種した人や、これまで新型コロナに感染して回復した人でも、変異したオミクロン株には感染しています。

Q. ワクチンの効果はいつまで続く?

A. デルタ株と比べて、ファイザーを2回接種した人は3か月経過したら中和抗体の値が72%減少、モデルナを2回接種した人は82%減少するというデータがあります。2回接種ではオミクロン株に対する効果は低下していることが確認されたので、3回目の追加接種で抗体の量を上げる必要があるということです。だからワクチンを2回打ったからといって安心できません。

Q. ワクチン2回接種しても意味がなかった?

A. ただ、希望が持てるのはワクチン接種からある程度期間があくと「液性免疫」抗体は減少しますが、「細胞性免疫(CTL)」は残るとされます。細胞性免疫は感染細胞を排除して重症化を阻止できるとみられています。変異株でウイルスの“顔つき”が変わっても、細胞性免疫は影響を受けにくいため、重症化阻止につながると言われています。

Q. ワクチン3回目接種はすべき?

A. ファイザー社の報告では、3回目のワクチン接種から1か月後の中和抗体価は、2回目接種から1か月後時点よりもさらに高くなるとしています。

 60歳以上の高齢者に対してブースター接種した場合、接種していない人と比べて11.3倍感染を予防し、19.5倍重症化を防いだというイスラエルのデータもあります。

関連キーワード

関連記事

トピックス

タイと国境を接し、特殊詐欺の拠点があるとされるカンボジア北西部ポイペト。カンボジア、ミャンマー、タイ国境地帯に特殊詐欺の拠点が複数、あるとみられている(時事通信フォト)
《カンボジアで拘束》特殊詐欺Gの首謀者「関東連合元メンバー」が実質オーナーを務めていた日本食レストランの実態「詐欺Gのスタッフ向けの弁当販売で経営…」の証言
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
まさか自分が特殊詐欺電話に騙されることになるとは(イメージ)
《劇場型の特殊詐欺で深刻な風評被害》実在の団体名を騙り「逮捕を50万円で救済」する手口 団体は「勝手に詐欺に名前を使われて」解散に追い込まれる
NEWSポストセブン
戸郷翔征の不調の原因は?(時事通信フォト)
巨人・戸郷翔征がまさかの二軍落ち、大乱調の原因はどこにあるのか?「大瀬良式カットボール習得」「投球テンポの変化」の影響を指摘する声も
週刊ポスト
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
沢尻エリカ、安達祐実、鈴木保奈美、そして広末涼子…いろいろなことがあっても、なんだかんだ言って「透明感」がある女優たち
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン