学園の入試競争倍率は0.09倍
現在の教団を取り仕切っているのは、教務総長の立場である3代教祖の妻・美智代氏だとされる。もともと夫婦は2代教祖の夫人らから結婚を反対された過去があり、長らく美智代氏は表舞台に姿を見せることはなかった。ところが、夫が脳の疾患に倒れた2007年以降、教団の機関紙などにも登場するようになる。
全国に200か所以上もあった教会の統廃合を進めて教団運営をスリム化し、不祥事が相次いでいたPL学園硬式野球部を、存続を願うOBや高校野球ファンの声があるにもかかわらず廃部を進めたのも、美智代夫人の意向があったとされる。
私が取材を開始した2014年頃は、正門で受付さえすれば野球部のグラウンドがある教団の敷地には簡単に入れた。しかし、私が頻繁に野球部の練習や試合に足を運び、野球部の廃部問題と信者減少に苦しむ教団の状況を報じるうちに、いつしか機械式のゲートができ、信者である証のカードを提示しなければ敷地内には入れなくなった。
ここ数年で、聖地の風景も様変わりしたという。富田林駅側の本庁から喜志駅側のPL学園へと向かう途中には、大きな谷や池があったが、現在、そこは埋め立てられて平地となっている模様だ。
「美智代様が陣頭指揮を執るようになってから、聖地の中でも神聖な奥津城(初代教祖が眠る墓)の周りを、引き取った土砂、私たちからすれば不浄なもので埋め立ててしまった。また、お亡くなりになった信者の遺骨が納められる芸生殿も、大平和祈念塔の近くに移してしまった。信者の心情としては歴代の教祖が眠る奥津城の近くに納骨してほしいわけですから、不信感を募らせる方もいます。毎月の一般会費が700円だったところ、1000円に値上げとなったことも会員の不興をかっています」(前出の元・教団教師)