小栗旬(39才)演じる主人公・北条義時が、女人を後ろに乗せ、馬を全力で走らせる。その背中に向けて、後を追う騎馬武者たちが容赦なく矢を放ち続ける──。
1月9日、迫力満点のシーンで始まったNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。1話のラストでは、義時の後ろに乗っているのが女装した源頼朝(大泉洋・48才)で、敵の手から逃げるために疾走していることが明かされる。
こうした伏線のある展開や、時に、大河らしからぬユーモアを交えた脚本は、三谷幸喜(60才)によるもの。第1話の平均世帯視聴率(関東地区)は17.3%、第2話も14.7%と、好調なスタートを切った。
頼朝は東国武士団をまとめて平家一門を打ち破り、鎌倉幕府を開くが、絶頂のさなかに謎の死を遂げる。タイトルの『13人』とは頼朝亡き後に合議制で幕府を動かした家臣の数。そのなかで、激しい権力闘争を勝ち抜いていくのが主人公の義時だ。
キャストも豪華で、後白河法皇役として西田敏行(74才)、平清盛役として松平健(68才)が出演。結婚後初のドラマ出演となる新垣結衣(33才)は頼朝の最初の妻である八重役を演じ、北条政子役を小池栄子(41才)が、義時の継母・りく役を宮沢りえ(48才)が演じる。
NHKでも働き方改革が進み、撮影が早く終わることも少なくないというが、現場にはピリリとした空気が流れているという。
「撮影の雰囲気自体は穏やかなのですが、とにかく三谷さんの本(脚本)が遅いので、大掛かりなセットを組むスタッフは、事前準備がなかなかできず、てんてこまいなんです」(大河ドラマ関係者)
そんな状況を肌で感じているのか、12月26日の小栗の誕生日に、三谷はある“奇策”に出たという。
撮影スタッフの1人が興奮気味に語る。
「撮影後、セットのなかにものすごい量のスモークがたかれたんです」
白い煙が立ち込めるなか、しばらくすると、ある男性にスポットがあてられた。
「その男性がスモークのなかから『旬、誕生日おめでとう!』とメッセージを読み上げたんです。声も仕草も三谷さんそのものだったので、誰もが本人によるサプライズだと思って、そのバースデーメッセージに静かに耳を傾けていたら、どんどんスモークが薄くなっていって…。
なんと姿を現したのは、三谷さんのモノマネをするお笑い芸人のユリオカ超特Qさん(53才)だった。これには小栗さんも大笑いでした」(前出・大河ドラマ関係者)
気になるのは、三谷が現れなかった理由だが──。
「台本がなかなか書き上がらないため、みんなに合わせる顏がないと言って“逃亡”したのだとか(笑い)」(ドラマ制作スタッフ)
※女性セブン2022年2月3日号