トイレに行ったのに残尿感がある、夜何度も起きてしまう、笑っただけで尿もれするといった悩みを抱える中高年は多い。尿トラブルを防ぐには、継続的な筋トレや体操などとともに、生活習慣を見直すことも重要なファクターだ。
当たり前のことだが、頻尿の一番大きな原因は水分の摂り過ぎの場合が多い。近年は「血液がサラサラになるように」と言って、健康のためにと水分を多く摂る人が増えている。
一般的にわれわれが1日に摂取する適切な水分量は、体重1kgにつき20~30 ml、体重50kgの人で1000~1500mlである。これには食事に含まれる水分は含まれない。
もちろん、熱中症が心配な猛暑の夏には多めの水分が必要となってくる。「季節、状況に応じた、自分にあった適切な水分摂取量と排泄する尿量のバランスを知ることが大切です」(日本大学医学部附属板橋病院・高橋悟病院長)
食品では塩分の多い漬物や明太子などは喉が渇き水分が多く欲しくなる。また、膀胱を刺激するキムチなどの香辛料を多く含む食品や酸味の強いレモンなどの柑橘類もほどほどにしたい。
飲み物では利尿作用のあるカリウムを多く含む黒ビールや赤ワインなどのアルコール飲料。同じく利尿作用のあるカフェインを多く含むコーヒーや玉露、コーラといった飲料も、特に就寝前には控えた方が無難である。
逆に積極的に取り入れたいのは骨盤底筋などの筋肉を強化する効果があるアミノ酸ロイシンを多く含むマグロ赤身、鶏肉、牛乳など。また、頻尿の大敵である冷えを防ぎ、体を温める効果がある栄養素やビタミン類を多く含む生姜、カカオ、チョコレート、ナッツ類なども良い。
※週刊ポスト2022年1月28日号