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《分裂抗争》山口組系若頭射殺事件、犯人は手土産のケーキ片手に発砲

抗争は終わらないのか…(写真は神戸山口組の井上邦雄組長、時事通信フォト)

抗争は終わらないのか…(写真は六代目山口組の司忍組長、時事通信フォト)

 鎮静化していたはずの山口組分裂抗争で久々の死者が出た。1月17日午後1時過ぎ、茨城県水戸市の六代目山口組の三次団体・三代目三瓶組の事務所付近を通行していた男性から「銃声のような音がした」と110番通報があり、かけつけた警察官が事務所内で倒れている神部達也若頭を発見。搬送先の病院で死亡が確認された。

「防犯カメラの映像などによると、犯人は事務所近くの洋菓子店でケーキ数点を購入し、それを手土産に事務所を訪ねてきた。犯人と面識があったかは不明ですが、事務所の玄関で応対したのが神部若頭だった。犯人はいきなり発砲すると、事務所内に侵入。掴みあいになった神部若頭にさらに発砲したと見られています。遺体には頭部を含めた複数の銃創が確認されています。事件後、犯人は事務所にあった車を奪い、逃亡しています」(全国紙社会部記者)

 犯行現場は水戸駅から約3キロの国道50号沿いにあり、交通量も多い。周辺には洋菓子店以外にもカラオケボックスや飲食店などがある。白昼堂々の発砲事件は民間人が巻き添えになってもおかしくなかった。1月20日時点で犯人は捕まっていないが、山口組分裂抗争と関連した事件という見方が強い。

「一方で、神部若頭が応対していることと、事務所の車を使って逃走していることから近しい人間による犯行説も浮上している」(実話誌記者)

 六代目山口組と神戸山口組による分裂抗争は6年半が経過し、市民は幾度となく恐怖に脅えてきた。2019年11月には、兵庫県尼崎市の商店街で神戸山口組の最高幹部が自動小銃で射殺されたが、こちらも午後5時と人通りの多い時間帯の事件だった。

「六代目山口組が優勢ですが、抗争終結は見えてこない。2020年1月に六代目側と神戸側双方が暴力団対策法による『特定抗争指定暴力団』に指定されてから、定例会などが開かれなくなり警察も情報取得に苦労している。両組織とも暴力という選択肢を捨てていない以上、今回の犯人の逮捕いかんによっては、抗争が激化する恐れもある」(フリーライターの鈴木智彦氏)

 民間人が凶弾に巻き込まれることだけは断じて起きてはならない。

※週刊ポスト2022年2月4日号

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