昨年は連続テレビ小説『おかえりモネ』(NHK)に出演して大きな反響を呼び、役者としても躍進するKing & Princeの永瀬廉。注目の最新主演映画『真夜中乙女戦争』(1月21日公開、KADOKAWA)では、心に闇を抱える無気力な大学生“私”を演じる。独特の世界観と予測不可能な展開が繰り広げられる物語の中で、一筋縄ではいかない難役に挑んだ心境とは? 永瀬に話を聞いた。
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最初に『真夜中乙女戦争』というタイトルを聞いたときには、女の子がいっぱい出てくる話なのかなって思ったんです(笑い)。原作を読んでみたら、全然違いましたね。とにかく原作で紡がれている言葉の美しさに魅了されました。心にずしっとくる言葉が数えきれないほどあって、ある種の“クドさ”もぼくにとっては心地よかったです。
ぼくが演じた“私”という大学生は、現代人が抱えている悩みをぎゅっと固めて持っているような人。自分のことがイヤで変えたいと思っているけど、勇気もなくて……。誰かと比べられたりするのはどの世界でもあることなので“私”が自分が気にしなくていいようなところで劣等感を覚えたり窮屈さを感じるところは共感できました。ただぼくは、“私”ほどこじらせたりすることはないですけどね(笑い)。自分自身から遠いキャラクターの人物を演じる方が、どういう気持ちなのか、その気持ちがどんな仕草となって表れるのかをより深く考えているかもしれないです。“私”を演じる上では、表情をいちばん大事にしていました。
“私”が抱いている閉塞感、孤独感といったマイナスな感情って、誰しも一度は抱えたことがあるはず。「絶望は、光になる」という作品 のキャッチフレーズのように、この作品は自分の殻を壊して、一歩踏み出す勇気を与えてくれると思います。
劇中の言葉が素敵で、脚本で出会ったセリフが心に刺さるんですよね。ぼく自身、この先の人生のどこかで、その言葉たちを思い出すことがあるだろうなと思っています。
※女性セブン2022年2月3日号