神田沙也加さん(享年35)が天国に旅立ってから1か月あまり。彼女のSNSには、別れを惜しむファンのコメントがいまだに寄せられている。
《前を向かなければいけないんだろうけど、、、あの歌声が忘れられないし、毎日聴いてます》
《透き通る歌声と笑顔忘れません……》
沙也加さんの歌声を収めたアルバムを多くの人が買い求め、在庫切れになるCDショップもあるという。もうこの世にいない彼女の姿を、過去の歌声を頼りに思い浮かべるしかないファンたち。そんななか、芸能関係者の間で発売が期待されている、未発表の音源が存在する。
「『アスノヨゾラ哨戒班』という一曲です。昨年5月に発売されたアルバム『MUSICALOID #38 Act.3』に収録される予定でしたが、調整がつかず見送りに。レコーディングも済んでいて、軽やかで涼しげな歌声が披露されています。彼女が亡くなってしまったいま、“幻の音源”になっています」(芸能関係者)
沙也加さんは、2018年から「ボーカロイド」のカバーアルバムを3作リリースしている。ボーカロイドとは、人間の声をモデルに作られた“機械の歌声”のこと。多くの音楽制作者が、作詞作曲した楽曲をボーカロイドに歌わせ、YouTubeなどの動画共有サービスを中心に発表している。アニメやコミックとの親和性が高く、特に若者世代に人気のジャンル。声優になることを夢見ていた沙也加さんだからこそ実現したものだ。
「沙也加さんがカバーした原曲も、もともとはYouTubeで人気に火がつきました。その曲が収録予定だったアルバムのラインナップは、ファン投票に加え、沙也加さん本人の選曲で決定しました。当然この曲も入る予定だったのですが……」(前出・芸能関係者)
軽快なメロディーながら、歌詞には葛藤と苦悩が浮かぶ。そのメッセージ性に、「沙也加さんの境遇が重なる」とは音楽関係者だ。神田正輝(71才)と松田聖子(59才)の間に生まれた沙也加さんには、好奇の視線がついてまわった。
「聖子さんの離婚、再婚もあって転校を繰り返し、周囲と普通の友人関係も築けない。どんなにもがき苦しんでも、自力では宿命から逃れられない沙也加さんの気持ちを代弁しているように思えてなりません」(前出・音楽関係者)