受験生を対象に優先接種を行う自治体も少なくなかった(時事通信フォト)
摂取直後の死亡も「因果関係なし」
受験シーズンが到来し、新聞やテレビでは「受験生への優先接種」や「オミクロン株による休校」といったニュースが取りざたされる一方、ワクチン後遺症に苦しむ子供の声はまったく報道されない。しかし彼らのようなケースは決して珍しいものではない。
厚労省は現在、約3週間に一度、「予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会」を開き、医療機関や製薬会社から報告された副反応の疑いがある事例数を公表している。2022年1月21日に公表された最新の数字によると、ワクチン接種後に「重篤」と報告された事例は、10代で387人にものぼる。
厚労省の「重篤」の定義は、「入院を要する場合や死亡又は永続的な機能不全に陥る又は陥るおそれがある場合」とされ、尋常でない状態であることがわかる。しかも、前記の事例でもわかる通り、医師がワクチンとの関連性を認めず、報告されないケースも少なくないと思われる。
接種後に亡くなった事例も、10代は5人報告されている。そのうちの1人は、神奈川県鎌倉市に住む13才の少年だった。2021年10月30日に2回目のワクチンを接種して帰宅し、その2時間半後に食事をして、4時間後の午後8時過ぎに入浴したが、浴槽に沈んでいるところを家族が発見。病院に搬送され、死亡が確認された。しかし、鎌倉市はこの事実を公表しなかった。
接種を推進するばかりでなく、リスクがあることを知ってもらうためにも、接種後に亡くなった10代がいることを市民に公表すべきではないか──11月末の市議会で、松尾崇鎌倉市長にそう迫った長嶋竜弘議員は、12月6日の市議会で、少年の遺族からのメッセージを読み上げた。
《コロナワクチン接種後死亡した10代の件を取り上げ、警鐘を鳴らしていただき、ありがとうございます。私の大切な大切な子供は、ワクチン接種数時間後、あまりにも突然変わり果てた姿となり、旅立ってしまいました。あれから何もかも信頼できず、他人の声も入ってこず、悲しく、苦しく、もがき続けながら日々を生きています。
子供の生きた証を少しでも意味のあるものにしたい。ようやくそんな気持ちを持ち始めましたが、どうすればよいのか、何が正しいのかわかりません。どうか正しい情報を広く発信し、せめて未来ある若者の命、健康な体を守ってください》
厚労省の副反応検討部会の報告書に掲載されたこの少年の事例を見ると、搬送先の医療機関はワクチンと「関連あり」としたが、解剖医療機関は「評価不能」と判定している。
一方、同部会の専門家による1月21日時点での評価は、「突然発症していることより、致死的な不整脈の発生を考えるが、トロポニン(※心筋梗塞や心筋炎の検査のこと)の結果から心筋障害の可能性は低いと考える」との記載があり、「情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できない」と結論づけられている。