国内

米大学調査「コロナ前後で乳幼児の認知機能が20%低下」 マスクの影響か

(写真/PIXTA)

子供の体にもマスクの弊害が(写真/PIXTA)

 異例の受験シーズンが到来した。聞こえるのはオミクロン株の感染拡大による学級閉鎖や、感染や濃厚接触の隔離で試験が受けられないのではないかという不安の声ばかり。運営側も受験会場の感染対策や追試日の設定に追われる。

 混乱の中で実施された今年の大学入学共通テストでは、「数学I・数学A」の平均点が昨年より20点も下がった。例年より問題が難しかったという指摘もあるが、予備校関係者からは「新型コロナの影響で受験生のレベルが下がったのでは」との声が漏れる。

 繰り返された緊急事態宣言やまん延防止等重点措置で学校や予備校が休講やオンライン授業になり、教師がきめ細かな指導ができなかったり、友人らとの切磋琢磨の機会が失われたからかもしれない。実はもう1つ、深刻な学力低下の原因が浮上している。幼児教育の現場から、こんな心配の声が聞こえる。

「新型コロナの感染拡大が始まってから、子供の表情の変化が乏しくなりました。言葉を覚えるのも以前より遅くなったように感じています」

 そうした現場の不安を裏づける研究結果がある。昨年8月、米ブラウン大学は、幼児期の知能、コミュニケーション能力など認知機能の発達を分析した。その結果、新型コロナのパンデミック以前(2011〜2019年)に生まれた3か月〜3才の乳幼児の認知機能のテストの平均スコアを100とすると、パンデミック中(2020、2021年)に生まれた乳幼児の平均スコアは78だった。なんと、その成績は約20%も低下していたのだ。

 なぜ、新型コロナ発生以降、乳幼児の認知機能が下がったのか──その謎を解くカギは、人間の脳の発達に隠されている。国際医療福祉大学病院内科学予防医学センター教授の一石英一郎さんの説明。

「人間の脳は生まれてからすぐにモノを見ることを司る後頭葉が発達し、次に音を聴く能力にかかわる側頭葉が発達し、周りからかけられる言葉を理解し始めます。さらに体の動きにかかわる頭頂葉や、コミュニケーション能力、理性などを司る前頭葉が発達します」

 そうして赤ちゃんの脳は、驚異的な成長を見せる。生まれたときから「脳細胞」の数が増えるわけではないが、脳細胞と脳細胞をつなぐ「シナプス」や、その接続部が伸びることによって、脳は急激に大きく重たくなり、生まれた頃は平均320gだった脳は、5才で平均1300gまで大きくなるのだ。「三つ子の魂、百まで」とよくいわれるが、幼児教育の必要性が叫ばれるのは、そのような乳幼児期における脳の著しい発達が根拠になっている。脳神経外科医の嶋田裕記さんが説明する。

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン