回を重ねるごとに話題になっているNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』。“るい編”で注目されているのが、当時の流行が忠実に再現された衣装だ。るいとベリーそれぞれのスタイルに懐かしむ人が続出!
「“るい編”の1960年代は、ビビッドな色柄ものや大柄プリントが流行した時代。ドラマでも、ベリーこと市川実日子さんやジャズカフェに集まる女の子たちは、パキッとした色や幾何学模様が印象的な服を着ていますね」
と、スタイリストの平尾まさえさん。1965年にイヴ・サンローランが発表したモンドリアン・ルックのミニドレスは、アートをファッションに取り入れ大きな話題になった。
一方、ヒロインのるいはチェックの落ち着いたブラウスとスカート姿が多く、ビビッドとは程遠い。が、この「二分化」も当時の特徴だったという。
「華やかな装いを楽しむ女性がいる一方、仕事や学業に打ち込む女性の多くはチェック柄の開襟シャツといった、上品でトラッドな服装が定番。しかし、るいもデートやジャズカフェに行くときはカラフルな服を選んだように、普段は控えめな女の子も、特別なときにはおしゃれを楽しんだようです」(平尾さん)
作品に夢中になっている50~60代は、るいの生きる時代のファッションに懐かしさを感じている人も多い。単なるレトロモダンへの憧れにとどまらない、“カムカムファッション”の魅力に迫ります!
●顔まわりのアクセサリーもポイント
黄色のワンピースに耳もとは大ぶりなイヤリングがアクセント。「ベリーはヘアアクセやイヤリングなどのアクセサリーも毎回凝っています。スカーフをヘアバンドにしたスタイルは現代でも真似できると思います」(平尾さん・以下同)。
●知的さを感じる女子大生ルック
短大に通うベリーの“女子大生ファッション”。「清潔感のあるブルーのシャツでいつもより控えめですが、千鳥格子柄のヘアバンドをきかせるところがさすがです」
●小物から色使いまで対照的なるいとベリー
ジャズ喫茶のサマーフェスティバル。るいはこの日のために、当時流行のシャーベットピンクのワンピースを購入。「ベリーは赤いドレスにボタニカル柄のボレロ。『この日のために全部新調してん』と気合充分でしたが、当時は知り合いなどに縫製してもらうことは珍しくありませんでしたよ」
●るいの“決意”が伝わるワンピース
「大阪に来てすぐ購入した春らしいパステルカラーのワンピースは、岡山での自分とは決別して、新天地で自由に自分らしく生きようという決意が伝わります。カラフルながら淡い色合いで、やわらかな印象を与える素材がるいとマッチしています」
●アメリカファッションが上陸し男性もトレンドを意識
「当時の若い世代の男性はアメリカのファッション文化の影響を少しずつ受けていました。ジョーが着ている大柄のアーガイル柄を着ている人も増えてきました」
●ベリーとは対照的なデートスタイル
トミーの提案で、るい、ベリー、ジョーの4人でダブルデートしたときのシーン。「るいの“代名詞”ともいえるチェック柄の開襟ブラウスに同系色のロングスカートで清楚なイメージ。足元は動きやすいスニーカーでベリーちゃんとは対照的です」
●控えめながら流行を取り入れたスタイル
ジョーが竹村夫妻(村田雄浩・濱田マリ)にるいとの結婚の許しをもらうシーン。「普段着のるいは、チェックの開襟ブラウスにスカートといたって質素ですが、当時の流行を取り入れています」
●こだわりが詰まったクラシックなお嬢様スタイル
東京の大手芸能事務所の社長令嬢を演じる佐々木。「ショート丈のボレロで服装からも上品オーラが溢れ出ています。襟元のビーズやパール、フリルの繊細な装飾もこの時代の特徴です」。
※女性セブン2022年2月10日号