ライフ

「コロナは風邪」が信条だった飲食店主、感染して自らの無責任を反省

感染力が強いオミクロン株の拡大は急速だった。1月13日、新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」の要請基準について記者会見で説明する東京都の小池百合子知事(時事通信フォト)

感染力が強いオミクロン株の拡大は急速だった。1月13日、新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」の要請基準について記者会見で説明する東京都の小池百合子知事(時事通信フォト)

 感染者の激増と病床使用率の急上昇のため、さすがに危機感が広がっている新型コロナウイルスの第6波だが、今回の主役となっている変異種オミクロン株は当初、感染力は強いが重症化しづらいという評判のために「大したことない」と感染予防を軽んじる人が続出してしまった。ライターの森鷹久氏が、「オミクロン株なんて大したことない」と言いつつ感染した飲食店主の後悔と不安を聞いた。

 * * *
「オミクロン株なんて、風邪と一緒だろう? マスコミが煽りすぎるからいけないんだ」

 2021年末に訪れた東京都内の飲食店で、店の経営者である藤原哲さん(仮名・40代)は筆者にこう言い放った。筆者が一応「マスコミ」側であることも承知した上での発言であることは明白で、当然居心地は悪かったが、忌憚なき「マスコミ批判」は、藤原さんの本音であることもまた事実だった。

 その後、オミクロン株の感染者が増え、都内では1日に1万人以上の感染者が出るなど過去最多を記録。飲食店は、またもや「時短営業」などの制限を要請されるなどし、経営者らからは不満の声が相次いでいる。

 そんな折、藤原さんからきた連絡は、筆者にとっても意外なものだった。藤原さん自身がオミクロン株に感染してしまい、仕事を休むだけでなく、家族全員が感染し社会と完全に切り離された、そう落胆していたのだ。「オミクロンは単なる風邪でしたか?」と、意地悪な質問をしてみたが、電話口の藤原さんは意気消沈といった感じで、言い返すこともできない様子だった。

「いや……確かにオミクロンは風邪というか、そんな生やさしいものではなく、インフルエンザに近い。熱は39度まで上がり、咳も頭痛もひどい。倦怠感が抜けず、悪寒がするので布団から出られない」(藤原さん)

 現時点で、藤原さんの感染ルートははっきりとしていない。いや、保健所に問い合わせても「今は感染ルートの追跡は行っていない」と言われるばかりで、もし自身の濃厚接触者がいた場合は、藤原さん自身で連絡するよう指示されただけ。そのことに初めは憤慨していたというが、現実に起こったことに打ちひしがれていたと漏らす。

「コロナが風邪、というのは正直なところ今もそう思っているし、自分の症状はインフルエンザそのもので、やはりきつかった。それ以上に大変だったのは、職場にも家族にも、そして子供達にも大きすぎる影響を与えてしまったことです」(藤原さん)

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン