『週刊ポスト』の連載「居酒屋ますや」で、大将をつとめる俳優・升毅。自宅マンションの隣室を借りて、仲間たちと芝居の話をしながら酒が呑める『居酒屋ますや』を月2ほどで開催する料理好きだ。そんな升が、日本酒の肴にピッタリな「いか大根」と「ゲソのワタ焼き」のレシピを紹介する。
「いか大根は、和食が得意だった母がよく作ってくれた思い出の味。落としぶたをして煮込むことで、いかの旨味が大根に染みて、こっくりとした煮物に仕上がります。一杯のいかを無駄なく使いたいので、ゲソのワタ焼きも作りましょう。さっと炒めるだけで手軽にでき、バターとワタのコクがたまりません。2品とも日本酒との相性バッチリです」(升)
『いか大根』
■材料(2人分)
大根…1/4本(400g程度)、するめいか…1杯(胴とエンペラ)、水…500ml、しょうが…1かけ
A[酒…大さじ3、みりん…大さじ3、しょうゆ…大さじ3、顆粒だし…小さじ2、ゆずの皮…適宜、一味とうがらし…適宜]
■作り方
【1】大根は皮をむいて2cm幅の輪切りにし、四つ割りにする。
【2】するめいかはワタ(内臓)とゲソ(足)を引き抜く。胴は内側にある軟骨を引き抜いて洗い、2cm幅の輪切り。エンペラ(三角形の部分)は食べやすい大きさに切る。ゲソはワタ焼き用にとっておく。
【3】鍋に水を入れ、【1】を10分程茹でる。
【4】薄切りにしたしょうが、A、胴とエンペラを加える。落としぶたをし、弱火で20分程煮る。(一度冷まし、食べる際に温め直すと中まで味が染みる)
【5】器に盛りつけてゆずの皮のせん切りを散らし、お好みで一味とうがらしをふる。
『ゲソのワタ焼き』
■材料(1人分)
するめいか…1杯(ゲソとワタ)、バター…10g
■作り方
【1】引き抜いたゲソとワタは、目の上あたりでワタを切り離す。
【2】ゲソは包丁で両目をそぎとり、ゲソの裏側から指を入れて中央にあるトンビ(くちばし)を押し出して取り除き、ぶつ切りにする。
【3】フライパンにバターを熱し、【2】を入れて中火で炒める。
【4】火が通ったら、フライパン上で【1】のワタを手で絞り出して加え、炒め合わせて完成。
【プロフィール】
升毅(ます・たけし)/1955年生まれ。東京都出身。近畿大学在学中に演劇を始め、1985年に演劇ユニット「賣名行為」を結成。1991~2002年は劇団「MOTHER」を主宰した。1995年に上京し、映画『八重子のハミング』(2017年)など出演作多数。
YouTubeで動画公開中。
https://www.youtube.com/channel/UC-DmGAqCEZMypBwgMncP1tQ
撮影/阿部吉泰
※週刊ポスト2022年2月11日号