日曜劇場『DCU』(TBS系)の第3話放送直後、ネット上には視聴者から驚きの声が飛び交った。同作は、海上保安庁に新設された、水中での事件・事故の捜査に特化した架空の組織「DCU」の隊員たちが難事件に挑み、そこに隠された謎に迫るミステリー作品。終盤で、ある主要人物が亡くなった1月30日放送の第3話は、視聴率15.2%を記録。2022年冬ドラマのなかでは、視聴率1位を独走している。
息つく暇もないほどの展開に、視聴者は一時も目を離せないが、撮影の裏側はストーリーを上回る壮絶ぶりだ。ドラマの制作スタッフが疲れた表情でこう話す。
「深夜まで撮影が続いたかと思えば、また翌日の早朝から皆と顔を合わせる毎日です。何がつらいかって、潜水シーンの撮影のためスタジオだけでなく、船や岸壁での撮影もあるなど移動が多いこと。都内から2時間以上もかかる場所での撮影にグッタリです。台本もちょくちょく変わるので、主演の阿部寛さん(57才)なんかは不眠不休状態だと思いますよ」
屈強なDCUメンバーも真っ青の毎日だが、実は最近、阿部が台本を見て目を丸くする出来事があったという。
「ウリともいえる潜水シーンが、第4話から激減しているんです……」(撮影場所の施設の関係者)
同作の撮影にあたって、俳優陣は体を鍛え、役作りに励んできた。横浜流星(25才)は、スキューバダイビングの資格を取得。31年前にすでにダイビング資格を取っていた阿部は、撮影前に再トレーニングに励んだという。潜水シーンのカットとなれば、「せっかくトレーニングを重ねてきたのに……」と出演者からクレームが出るかと思いきや、
「まったくないんです。むしろ、阿部さんはホッとしている様子すらありました。潜水シーンは体力をかなり消耗する上、セットやメイクなど非常に時間がかかるため、待ち時間も多くなる。連日わずかな睡眠時間で現場入りしている演者さんにとっては、安堵以外の何物でもないのでしょう」(ドラマ関係者)
実は、今回の変更は、予算上のある誤算が原因だという。
「このドラマはハリウッドの大手制作プロダクションと共同制作している作品で、海外展開を前提にしているんです。海外のスタッフを含む国際的な制作体制になったのですが、予算はハリウッド並みとはいかず……莫大な費用がかかる潜水シーンから削られることになったみたいですよ」(前出・ドラマ関係者)
もちろん面白さは削られていないようだ。
※女性セブン2022年2月17・24日号