『久米宏ラジオなんですけど』、『大沢悠里のゆうゆうワイド土曜日版』、『荒川強啓デイキャッチ』、『伊集院光とらじおと』、『有馬隼人とらじおと山瀬まみと』、『宮川賢のデートの時間でそ?!』……。これらは3月終了予定を含め、最近2年強で幕を閉じたTBSラジオの番組名である。放送記者がその背景を解説する。
「10年くらい前からTBSラジオはパーソナリティの高齢化が顕著になっていて、世代交代の時期に差し掛かっていた。その中で、永六輔の『土曜ワイドラジオTOKYO』は2015年9月で終了し、ナイツが引き継いだ。高齢者にも若者にも対応できる2人は今も番組を続けており、バトンの受け継ぎに成功したと言えるでしょう。また、ライムスター宇多丸やジェーン・スーというラジオスターを生み出し、帯番組を任せるまでになった。このあたりは世代交代が上手く行っていた例だと思います」(以下同)
2016年には30年間、朝のワイド番組を務めてきた大沢悠里が勇退。代わりに、伊集院光が就任した。
「何年も前から、TBSラジオはいずれ伊集院さんに帯番組を任せたいと考えていたようで、深夜放送だけでなく、日曜のワイド番組を担当させるなどしてきました。その説得に応じる形で、伊集院さんは相当な覚悟を持って、『伊集院光とらじおと』を始めた。朝帯のワイド番組を持てば、生活の中心がラジオになるし、テレビ出演は減少する。月曜は深夜3時に『深夜の馬鹿力』が終わると、そのままスタジオで仮眠して8時半から『伊集院光とらじおと』で喋っていた。まさに生活の全てをTBSラジオに捧げていたんです」
昨年9月、伊集院は同番組で月曜アシスタントを務めていた新井麻希アナへのパワハラ発言があったと報じられている。その半年前には、スタッフが番組のグループLINEに伊集院への愚痴を投稿。『深夜の馬鹿力』で伊集院はネタに昇華させたが、スタッフとの間に距離が出来ていたことは明らかだったろう。
「伊集院さんは1本1本のコーナーに妥協を許さない人ですし、スタッフの仕事ぶりに納得ができなければ、台本まで自分で書いてしまうほどの情熱を持っている。全て自分で出来てしまうほどの才能です。彼は番組を面白くすることだけを考えて邁進してきた。パワハラと報じられていますが、それくらい仕事に懸けていたという側面もあると思います」