NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、小栗旬、大泉洋、松平健ら豪華キャストに注目が集まっているが、回を追うごとに話題を呼んでいるのが源頼朝(大泉)の最初の妻、八重(新垣結衣)だ。頼朝に離縁され、頼朝と対峙する父・伊東祐親(浅野和之)の家人・江間次郎(芹澤興人)に嫁ぎながら、いまなお頼朝を想い続けるという複雑な役どころ。
当初は悲劇のヒロインと見られていた八重だが、相次ぐ大胆な行動で「くせ者」ぶりが明らかに。2月6日放送の第5回では、夫の江間に裏切りを要求、「ひどい女だということは分かっています。いくらでも憎みなさい」と言い放つ姿に、ネット上では「八重さん毎回嫌な女だわ~と思ってしまう」「八重、このドラマで一番イライラさせられるキャラだわ」など“アンチ八重”のコメントが溢れた。いつの間にか、八重は嫌われ役になっているのだ。
国民的人気女優のガッキーが演じる役がこんなに不人気でいいのか。ベテラン芸能ライターは、「それこそが脚本を務めた三谷幸喜さんの狙いではないか」と推測する。
「三谷さんは『文藝春秋』1月号で『八重は前半の最重要人物』とした上で、“悪女”のイメージを持つ北条政子について『視聴者が彼女に共感できるよう、1話1話、物語を丁寧に紡いでいきます』と述べています。つまり、小池栄子さん演じる政子のイメージを覆すために、あえて八重が悪女役を担っているのではないでしょうか。
イメージ的にも控えめな新垣さんと勝ち気な小池さんでは対照的ですが、今回のドラマでは、徐々に八重の勝ち気な側面、政子の控えめな側面が出てきて、イメ-ジが逆転していきます。可憐さが持ち味だった新垣さんの演技も、回を追うごとに力強いものになっている印象です」