スポーツ

蛯名正義氏 馬の能力を信じ距離適性を模索したマリアライトの騎乗体験

2020年に調教師試験に合格した名手・蛯名正義氏

2020年に調教師試験に合格した名手・蛯名正義氏

 1987年の騎手デビューから34年間にわたり国内外で活躍した名手・蛯名正義氏が、2022年3月に52歳の新人調教師として再スタートする。蛯名氏による週刊ポスト連載『エビショー厩舎』から、馬の距離適正についてお届けする。

 * * *
 僕が初めてマリアライトに乗ったのは2014年6月末、宝塚記念当日の東京での3歳以上500万下(現1勝クラス)芝1800m。春のクラシックシーズンが終わってからのことです。

 このときは勝ったのですが、クラスが上がるとなかなか勝ち切れなくなった。それで長くいい脚を使うタイプだから、久保田貴士先生やスタッフとも相談して、4歳の春から長距離を使うようにしたんです。

 最初はうるさくて大変でした。敏感で引っ掛かるので、それをどう落ち着けようかと。馬の性格は、持っている能力も含めていろいろですから、上にあがっていくにはどうしたらいいかというのを考えます。

 それには乗ってみてどう感じたかという第一印象、「この馬、よいところある!」って楽しくなるようなインスピレーションを信じます。それで落ち着かせるにはこうしたらいいんじゃないか、それがだめなら別のことをとやっていく。この馬は絶対よくなると信じて根気強くアプローチし続けられるかどうかですかね。

 そうしているうちに体がぐっとよくなってきた。そういう調教をしているからよくなったのか、その距離に適性があったのか、ガクッと疲れなくなって、食べているものが身になっていくという感じ。そういうのが同時にタイミングよく来るのかわからないんですけど、とにかくよくなった。

 で、中山の2500m、東京の2400mを連勝してオープン入り、秋にエリザベス女王杯を勝つことができました。その後も2500mで結果を出し、翌年の宝塚記念は8番人気での勝利です。やはり牝馬ということで、長距離はどうかと思われていたんでしょう。しかもこのレースはドゥラメンテやキタサンブラックとメンバーが揃っていましたから。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田中圭と15歳年下の永野芽郁が“手つなぎ&お泊まり”報道がSNSで大きな話題に
《不倫報道・2人の距離感》永野芽郁、田中圭は「寝癖がヒドい」…語っていた意味深長な“毎朝のやりとり” 初共演時の親密さに再び注目集まる
NEWSポストセブン
春の園遊会に参加された天皇皇后両陛下(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会ファッション》皇后雅子さま、選択率高めのイエロー系の着物をワントーンで着こなし落ち着いた雰囲気に 
NEWSポストセブン
現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
週刊ポストに初登場した古畑奈和
【インタビュー】朝ドラ女優・古畑奈和が魅せた“大人すぎるグラビア”の舞台裏「きゅうりは生でいっちゃいます」
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン