俳優の東出昌大が所属事務所「ユマニテ」と契約解消になったことが2月15日に発表された。その所属事務所が異例の厳しいコメントを出したことが話題を呼んでいる。
事務所は「2020年1月の東出昌大の不祥事以来 2年間にわたって、弊社はさまざまな問題に全力で対処してまいりました」とした上で、地方の撮影現場の宿泊先に女性を招いたと報じられたことを受けて、「東出の配慮に欠ける行動でその再生への道は頓挫いたしました。その時 私たちが感じたものは怒りというよりも、徒労感と虚しさでした。そして熟慮の末に、これ以上 共に歩くことはできないという結論に達しました」と苦渋の決断に至る率直な感情を吐露している。
所属タレントの独立にあたっては、経緯はどうあれ「円満退社」であることをアピールするのが芸能事務所の定石だが、なぜ今回に限って異例の声明を出したのか。ベテラン芸能ライターが語る。
「事務所はこれまで、東出さんが役者としての地位を確立するのに尽力してきました。かつては“セリフが棒読み”といった批判があった東出さんですが、『菊とギロチン』で瀬々敬久監督、『寝ても覚めても』『スパイの妻』で濱口竜介監督といった今もっとも旬な監督たちと組むことで、スケールの大きな演技が花開き、高い評価を得るようになりました。それも、安藤サクラや門脇麦ら実力派を売り出してきた事務所の力があってこそでしょう。
不祥事が発覚して以降も、事務所側は関係各所に頭を下げて、仕事を取ってきた。人気シリーズの『コンフィデンスマンJP』に継続出演できたり、ネットフリックスで配信された『ボクたちはみんな大人になれなかった』などの話題作に相次いで出演できたのはその成果です。それだけに、今回の件での事務所側の失望は大きく、それが率直に表れたのがこの声明だったのでしょう」