秋篠宮家の長男・悠仁さまが4月から国立の筑波大学附属高校(筑附高)に進学されると、2月16日に宮内庁が発表した。宮内庁によると、悠仁さまは現在通われているお水女子大学附属中学校と筑附高との間の提携校進学制度に出願し、2月13日に同校で行われた学力検査を受けた結果、合格したという。
2月13日、午前8時過ぎ。筑附高へと向かう道には、試験を受けにきた受験生と、付き添いの保護者が一様に緊張の面持ちで続いていた。その列の中に、悠仁さまの姿があった。
東京23区のほぼ中心に位置する文京区は、都心にあって緑豊かな自然が整備されており、教育水準が高い「文教地区」として知られている。特に区立「教育の森公園」の周辺は公立、私立問わず、小学校から大学まで多数の教育機関が集中する。その一角に、筑附高は歴史ある校舎を構えている。
ほかの受験生への心理的な影響を避けるためか、側衛官はその姿を隠し、物々しさは感じられない。マスクを着用されていることもあり、周囲は、すぐ目の前を“将来の天皇”がひとり歩かれていることに気づく様子はない。
冷え込みの厳しいその朝の気温は約3℃。悠仁さまは、詰め襟の制服にダッフルコートという出で立ちだ。黒いリュックは、ぱんぱんに膨らんでいる。悠仁さまは正門をくぐると、屋外にある受付テントの列に並ばれた。手には受験票が握りしめられていた。
この日の試験は、男女別にフロアが分けられていた。合わせて受験生約500人。悠仁さまはほかの男子生徒と同じように、所定の教室へと入られた。午前9時、試験が始まった。試験科目は、国語、数学、英語、理科、社会の5科目で、各60点満点だ。
各科目の間には休憩時間がある。スマホの電源を入れ、ニュースを読んだ何人かの受験生が気づいたようだ。この会場に、悠仁さまがいる──なかには、昼食休憩の時間に隣の教室からわざわざ悠仁さまのお姿を見に来る生徒もいた。それでも悠仁さまは、静かに机に向かわれ、集中されていたという。
午後3時15分に試験が終了。冷たい雨が降り始めていた。試験を終えた生徒たちが校舎から一斉に流れ出てくる。正門前は、保護者や進学塾の関係者でごった返している。再び、悠仁さまが姿を見せられた。白い縁取りがされた黒の折りたたみ傘をさされ、ほかの受験生に溶け込み進む。ところが、ふいに列から外れると、脇道へと入られた。住宅街を抜けた先には、ひっそりと迎えの車が待っていた。同日、試験を受けた男子生徒の保護者が話す。
「皇族ですから特別な存在ですし、“行きたい”とおっしゃれば、どこでも入れるわけですよね。わざわざこの学校を受けなくても、とは思いました。もしも“一般”で受験されたのだとしたら、合格枠が1つ減ってしまうわけですし……」
また別の保護者はこう語る。
「自由な校風に憧れて、第一志望にしました。でも、もし悠仁さまが同級生となったら、警備の都合などで窮屈になるのかな……。そうだとしたら、残念で仕方ありません」