国内

悠仁さまの進学先、「筑附」?「筑付」? 表記の違いがある背景

筑波大学附属中学・高校の正門前の様子

筑波大学附属中学・高校の正門前の様子

 宮内庁は2月16日、秋篠宮家の長男・悠仁さまが筑波大学附属高校に合格され、4月から入学されることを発表した。3日前の13日には悠仁さまが筑附高の入学試験に臨まれたことが一斉に報じられ、新聞各紙の紙面やウェブ上に一躍“筑波大学附属”の名が踊った。

 時ならぬ“筑附”フィーバーに沸く一方で、一部の人が感じる、とある違和感が話題になっている。それは「筑波大学附属高等学校」が「筑波大学付属高等学校」と表記されていることについてだ。主に新聞を中心としたメディアで、“附属”を“付属”とした「筑波大学付属高等学校」や「筑付」という表記が散見されるのである。

「筑付」としているメディアではきちんと「筑付」で統一されており、誤植などではなく意識的に“付”としていることがわかる。これに対し、在校生やOBなど「筑附」の表記に慣れた人から「“筑付”は気持ち悪い」と異論が噴出しているのだ。ちなみにお茶の水大学附属幼稚園に入園された際も、新聞社各社は「付属」表記だった。

 なぜこのような表記になるのだろうか。スポーツ新聞記者は事情をこう説明する。

「新聞では正確性と読みやすさを担保するため、用語や漢字、言葉づかい等を統一しています。新聞社ごとに決まりがあるのですが、日本新聞協会新聞用語懇談会の基準を基本としているため、大枠では各社同じと言っていいでしょう」(スポーツ紙記者)

 そのルールの中に、“特別な場合を除いて異体字は使わない”という原則がある。異体字とは、形は違うものの同じ読み、同じ意味で使われる漢字のこと。たとえば「澤」と「沢」などがそうであり、これをより一般的で平易な「沢」に統一するというのが新聞のルールなのだ。

 毎日新聞社校閲センター『毎日ことば』によると、新聞では「附属」という表記は使わず、すべて「付属」で統一されている。「付」と「附」はほぼ同じ意味であり、教育漢字に「附」がないこともあって文化庁が「付属で統一することが望ましい」とした。そのため日本新聞協会の新聞用語集も「付属」を採用したのだという。

 問題は固有名詞の場合だ。「筑波大学附属高等学校」は固有名詞である。ちなみに悠仁さまがお茶の水女子大学附属幼稚園に入園された際も、新聞各紙は「付属」表記だった。固有名詞の表記も通常の用字用語と同じと考えていいのだろうか。これについても『毎日ことば』では、固有名詞が固有たるゆえんは文字にあるのではなくその呼び名にあり、外国人の名前を現地の文字ではなくカナで表記するように、文字には共有認識と公共性が求められる。そのため、文字については公共の規則に準拠するのが基本的な立場だと説明している。

関連キーワード

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン