折り返しを迎えたキャンプで楽天の田中将大(33)が燃えている。
「順調な仕上がりで、力強い投球を見せています。4勝9敗と負け越した昨季との最大の違いが、田中がチームの中心にいること。昨季は若手選手が緊張してしまい、距離を感じる場面も目立ちましたが、今年のキャンプでは田中が積極的に話しかけていて距離がぐっと縮まったように見えます。練習に取り組む姿勢を含めてプロ意識の高さは選手たちの良きお手本です」(チーム関係者)
チームに溶け込む一方で、田中には長年の“相棒”との別れがあった。前出・チーム関係者が事情を明かす。
「田中の15年間のプロ生活を誰よりも近くで支えてくれた球団職員の佐藤芳記氏が昨年末、突然、自主退職したんです。球団内でも理由は分からず触れづらい状況です」
佐藤氏は2007年3月に球団広報として入社し、田中とは「同期入団」として知られる。
「田中が公私共々相談する唯一の存在で、メジャー挑戦の際には、佐藤氏も退職して“専属サポート役”としてヤンキースに職員として移籍し、日米報道陣を取り仕切りました。手厳しいことで知られるメジャーのマスコミから田中が愛されたのも佐藤氏の力が大きかったと言われています」(スポーツ紙記者)
佐藤氏は田中が楽天に復帰する際にも相談に乗ったことを明かしている(朝日新聞2021年3月27日付)。当然、田中の復帰とともに佐藤氏も楽天に戻り、『18 Management室 室長』という肩書きで“田中専属広報”として活動していた。
強い絆で結ばれていた2人が、復帰から1年経たずで袂を分かったことに、選手や担当記者から動揺の声が広がっている。
「佐藤氏と別れ、一人になったことで選手やスタッフと直接やりとりする機会が増えて、距離が近付いた。そうしたプラス面がある一方で、これまで田中が野球に集中できていたのは佐藤氏がいたからこそというのも事実。田中がマスコミ対応や球団との連携など球場外の対応に時間を割くことが増えることで、投球への影響を心配する声もある」(同前)
※週刊ポスト2022年3月4日号