五輪3連覇を期待されながら、4位に終わった羽生結弦(27)。2月14日の会見では、「いろんな人に支えてもらっているんだなと感謝したいなと思わされた3日間でした」と神妙に語り、今後については明言を避けた。“ゆづ活”にお金と時間を捧げてきたファンたちは、羽生がどんな決断をしようとも変わらずに彼を支え続ける。
「『穴、お前が避けろ』とか『穴、孫末代まで恨む』とか。友人とLINEでそんなやり取りばかりしていました。ショックで寝込んじゃって、数日間は仕事も休みました」
そう話すのは、都内在住で羽生結弦ファン歴11年の女性・Aさん(55)。国内外の大会に足を運ぶ熱烈な羽生ファンのAさんだが、北京五輪は現地での応援が不可能だったため、テレビの前で固唾を呑んで見守った。
ショートプログラムではリンクの穴に足を取られる不運もあり、8位と出遅れた羽生。Aさんはフリーでの逆転を願い、祈るように観戦したという。
「フリー前日の公式練習の様子から、足首を痛めているんだろうなって思っていました。でも、滑る前に私たちファンが心配したら、ゆづにそれが伝わってしまう。だからグループLINEでは『ゆづくんに良い“気”を送ろう』と言い合って、静かに手を合わせていました」(Aさん)
羽生がフリーの演技で挑んだ史上初の4回転アクセルは、惜しくも転倒したが、ISU(国際スケート連盟)公認大会で初めて4回転アクセルとして認定された。そのニュースを聞いた瞬間、Aさんは号泣したという。
「顔を洗わなくてもお化粧が全部落ちるくらいでした。芸術的で完璧なゆづの演技を皆さんに見ていただけなかったことは悔やまれましたが、今はただ、歴史的瞬間を見せてくれてありがとうという気持ちです」
そう語るAさんの目は再び潤んでいった。
今回の北京五輪で羽生は、ファン以外からも注目を集めた。現地での羽生への応援について、五輪開幕前に中国の外交担当の高官がツイッターで「お任せください!」と日本語で投稿。羽生がスケートリンクに入ると会場内から多くの歓声が飛び、試合後も中国メディアが「メダルなしでも彼は勝者」と賞賛をするなど、まさに特別扱いだ。