自分、不器用ですから──このフレーズが代名詞の日本を代表する名優・高倉健さん。彼の生誕90周年を記念したアルバムが2月16日に発売された。この節目の年を記念して、本誌では秘蔵写真をスペシャル公開。83年の生涯を過ごした高倉健さんの思い出を振り返ります。
●『居酒屋兆治』1983年
元高校球児で、函館の居酒屋・兆治を営む店主役を演じた高倉さん。かつての恋人・さよ(大原麗子さん)が悲劇に見舞われたことに思い悩みながらも懸命に生きているところが印象的。2020年には遠藤憲一主演でドラマ化されている。
●『幸福の黄色いハンカチ』1977年
刑期を終え、妻(倍賞千恵子)の元へと若者2人を連れて向かう物語。刑期を終える直前に「もし、まだ独身ならこいのぼりの竿に黄色いハンカチをつけておいてくれ」と妻宛てにはがきを出し、それを目印に向かうシーンはいまでも色褪せぬ名シーン。
●『昭和残侠伝 一匹狼』1966年
佐伯清監督の「昭和残侠伝シリーズ」の第3作。昭和の港町を舞台に任侠の世界で奔走する武井繁次郎を演じた。抗争のシーンで見せる剣さばきと入れ墨は必見。
●特写 1983年
出雲大社近くの海岸をバックに撮影された。ラフな服装に片手をポケットに入れてたたずむ姿からもスターのオーラがにじみ出ている。
●『第1回日本アカデミー賞授賞式』1978年
記念すべき第1回の最優秀主演男優賞に輝いた高倉さんは、この前年に出演した『幸福の黄色いハンカチ』、『八甲田山』が評価され受賞。『はなれ瞽女おりん』で最優秀主演女優賞を受賞した岩下志麻と並んで写真撮影が行われた。
●『海峡』1982年
同年にデビューした石原裕次郎さんとは兄弟のような仲。共演機会はなかったが、石原さんの葬儀では友人代表で弔辞を読んだ。
●『動乱』1980年
吉永小百合と初共演を果たし、五・一五事件から二・二六事件までの時代を生きる青年将校役を演じた。本作は2020年に4Kデジタルリマスター版で公開され、話題を呼んだ。
●『南極物語』1983年
昭和基地に取り残された犬たちを救うため、高倉さん演じる潮田暁と渡瀬恒彦さん演じる越智健二郎が再び南極へと向かう。到着し、生き残っていた兄弟犬タロとジロと感動の再会をするシーンに涙した人も多いだろう。
撮影/女性セブン写真部
※女性セブン2022年3月3日号