芸能

早乙女太一は「屈折した敵役」がよく似合う 朝ドラ、月9でも好演が光る

好演が話題の早乙女太一

『カムカムエヴリィバディ』などが話題の早乙女太一

 話題を集めているNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリィバディ』。ヒロインの好演が注目を集めているが、周囲を固める役にも熱い視線が送られている。その一人が早乙女太一(30才)だ。月9、時代劇にも出演する早乙女の演技についてコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 今シーズンのドラマでは、早乙女太一がいい味を出している。ポイントは、主人公と対立するポジション、敵役であること、そして「白」と「黒」のテーマカラーがあること。

「白」は、朝ドラ『カムカムエヴリィバディ』のトミー北沢役。京都のジャズ喫茶「Night and Day」を拠点に活動するトミーは、ヒロインるい(深津絵里)が応援する錠一郎(オダギリジョー)のライバル。

実績も実力あるトミーは、結構な俺様系。関西一のトランぺッターを決めるコンテストで、錠一郎と名勝負を繰り広げる。赤いジャケットの錠一郎に対して、真っ白なスーツに白い帽子のトミー。ステージにふたりが並ぶと、まさに紅白対決であった。

 一方、「黒」の役は、BSプレミアム『雲霧仁左衛門5』の山川安左衛門。大奥総取締滝山(ともさかりえ)に見込まれ、火付盗賊改方に出世した山川は、大盗賊・雲霧仁左衛門(中井貴一)一党の捕縛を狙う。陣笠から着物一式黒ずくめの山川は、冷たい顔で証拠もなく捕らえた者たちを容赦なく拷問。

最後まで口を割らなかった雲霧の老盗賊も命を落とす。自分たちに不利な秘密を知る商人をバッサリと斬り殺す山川は、まさに“黒い盗賊改”である。

 さらに白と黒が合体したバージョンは、フジテレビ『ミステリと言う勿れ 炎の天使編』の井原香音人役だ。金髪頭をすっぽり覆う白いフードに黒いパンツ、白黒猫を抱えた香音人は、親が死に、こどもだけが生き残った放火殺人事件の現場に居合わせた主人公の整(菅田将暉)の動きを注視し、「その整というやつも燃やしちゃえばいいんじゃないかな」と言い放つ!? そして、整の前に姿を現し、「炎の力を使って、僕らと同じつらい思いをしている子どもたちを助けてあげたいと思ったんだ」と言う香音人の正体は…。。

 白と黒、早乙女の役に共通するのは、少し屈折していること。トミーは、本命視されていたが、コンテストで優勝できなかった。しかし、心の中では錠一郎の力を認め、挫折したライバルを助けるのである。また、香音人も自身が虐待からのサバイバーだと告白。子どもたちを救うために動いていると語る。そして、山川は滝山の実弟で、父が切腹させられ、とり潰された自分の家の再興のために手柄をと躍起になっているのである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン