「体の節々が痛い」と悩む人は40代から急激に増えていく。若い頃には問題なく機能していた体の関節も、長年の酷使で軟骨がすり減る一方。無理な姿勢を続けていくと、関節にゆがみが生じる。
では、積み重なった負荷によって関節痛が慢性化した場合、ひたすら安静にして痛みが消えるのを待つべきか? 答えはNO。ひざ痛の主な原因である変形性関節症だと判明したら、自分の痛みのタイプに適した改善の道はある。
ひざ痛の理由にはケガや痛風、リウマチなどいろいろあるが、9割以上に該当するのは変形性膝関節症。40歳以上の2人に1人は変形性膝関節症と言われるほど、その罹患率は高い。最初は立ち上がり時に少し痛むくらいだったのが、次第に正座や階段昇降もツラくなる。最後はひざが変形し、ついには歩行困難へ。
「お茶の水整形外科 機能リハビリテーションクリニック」院長の銅冶英雄氏は、変形性膝関節症の進行を抑える体操を勧める。
「ある程度の痛みが体操で鎮まれば、あとは回数を減らしてもかまいません。とにかく体操を継続することで、痛みはコントロールできるのです」(銅冶氏)
まずは、ひざの痛みをセルフチェックしてみたい。
【事前チェック】
痛みの原因が腰から来ている可能性を見極める
事前チェックの体操3パターンのいずれかで痛みが軽くなれば、腰の体操がひざ痛の改善につながる。該当者はまず、腰の体操を始めたい。
(1)後屈×10回
この動きで痛みが軽減したら、疑うべきは腰椎。改善しなければ(2)へ。
(2)前屈×10回
この動きで痛みが軽減する人は前屈改善型。改善しなければ(3)へ。
(3)腰を左右に×10回
痛みが軽くなったら側方改善型。まだ解決しなければ、下の「ひざの痛みタイプ別診断」へ。