新型コロナウイルスで生活様式も一変。しかし、岸田文雄首相は2月17日、「第6波の出口に向かって徐々に歩み始める。次のフェーズへと準備を進めていく」と明言するなど、この先は、自粛などで経済的な損失が続く状況から、損失・被害を最小限に抑えるよう転換する「出口戦略」が進められる。それは家計についても、対策できることは多いだろう。
巣ごもり生活において、アマゾンや生協などの宅配サービスを利用して、新鮮な野菜や肉、魚などの食材を「買いだめ」するケースも増えた。だが、ファイナンシャルプランナーの横川由理さんは、「買いだめは無駄になりやすい」という。
「ネットで注文すると手軽さから食材を買いすぎて、冷蔵庫が満杯になって奥にあるものを腐らせたり、干からびさせることが多い。食材以外の生活必需品でも値段がお得だからとトイレットペーパーを箱買いしてしまうと保管する場所が必要です。災害時の保存食以外は買いだめをおすすめしません」(横川さん)
ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは、ネットスーパーと実店舗のハイブリッド型をすすめる。
「ネットスーパーで買いだめすると無駄な買い物が増えやすいが、毎日スーパーに通っても余計なものを買ってしまいます。ネットスーパーでは米や水など重いものを頼み、生鮮食品は実店舗で3日に1回以下の買い物にすることがおすすめです。増えすぎた在庫を消費しつつ、お得な食材を取り入れることが最も安上がり。また、実店舗で旬の食材を手に取って季節を感じることは、日々の生活のいい気分転換にもなるはずです」(丸山さん)
コロナ禍ではスポーツや舞台、コンサートなどが軒並み中止され、多くの人が自宅でネットフリックスなどの動画配信サービスを楽しむようになった。ふと気づいたら、さまざまな定額配信サービスを契約していたという人も少なくないはずだ。
「複数加入していると当然、固定費が増えるので1つに絞った方がいい。特に最近はスポーツチャンネルの『DAZN』が月額1925円から3000円に大幅値上げするなど、強気の価格改定が目立ちます。
コロナ明けを機に、費用に対しての利用時間や満足度などを再考して、動画配信サービスの契約を見直すべきです。私はアマゾンプライム会員の『Prime Video』だけです」(丸山さん)
横川さんが続ける。
「有料配信がそこまで必要かどうか疑問です。コロナ禍が終わって外出も増えれば、無料で楽しめるユーチューブやGYAO!などで充分じゃないでしょうか。時間は限られているので、有料動画サービスをいくつも、料金分の元を取って楽しむのは至難の業でしょう」