全身のわずか2%の面積で全体重を支える足裏は、縁の下の力持ち。日々、縦方向にも横方向にも絶妙にバランスを取り、着地時にかかる衝撃は上手に逃がす。かかとから足指へと体重を移動し、スムーズな歩行を促す。それらの動きをこなせるのは、骨と靱帯が複雑に組み合わさった構造のおかげだ。ただしその複雑さゆえ、無理がたたると故障もしやすい。しびれや痛みなど何らかの不具合が出て初めて、足裏の偉大な仕事ぶりに気付かされる。
脊柱管狭窄症や糖尿病などが足裏の不調に繋がるケースもあるが、足自体に起因する症状は、筋力低下によるものがほとんど。足裏の健康維持には、足裏と足首の筋肉を鍛えるのが最良の近道である。
激し過ぎない運動で筋力を高めよう
自宅滞在時間が増えて運動不足になると、足裏の筋力も落ちていく。鈍いしびれや痛みが慢性的に続くなら、安静にして痛みをやりすごすのでなく、積極的に動いて血流を促しつつ筋力をつけるべき。うれしいことに、何歳になっても筋力は増強できる。加齢によって減った筋肉は、ほどよい運動で補うのが理想だ。
「さいたま中央フットケア整体院」院長の冨澤敏夫氏によれば、足裏を悪化させる人には“頑張り過ぎる”特徴があるという。
「ゴルフボール、青竹踏み、すりこぎ棒などを使い、足裏を刺激し過ぎて炎症を起こす人を頻繁に見かけます。自己流だと加減が難しいので、まずはゆるやかな『足裏若返りルーティン』から始めてみましょう」