女優・武田梨奈(30)がドラマ『ワカコ酒』シリーズの主人公・村崎ワカコ役を演じるようになって7年になる。1月よりSeason6が放送中(BSテレ東、毎週月曜深夜0時〜)で、いまや武田の代表作のひとつと言っても過言ではない。
ワカコと共に歩んできた7年間、ひとりの役者としてもさまざまな変化があった。尊敬する俳優・武田鉄矢の「他の若い女優さんにはない“暮らしの匂い”がする」という言葉が、武田の励みになっている。
「なんで私なんだろう?」
──今でこそプライベートでもひとり飲みを楽しむ武田さんですが、ワカコ役に起用されるまでは、お酒をあまり飲まないほうだったと聞きました。それまでは空手やアクションを得意とする女優さんとして知られていましたね。
武田:そうなんです。最初にオファーをいただいたときは、「なんで私なんだろう?」とびっくりしたのを覚えています。プロデューサーの方と以前お仕事をしたことがあって、その方が「空手やアクションとは別の顔を見たい」と考えてくださったとは聞きました。今となって自分で思うのは、「親しみやすさ」がよかったのかなぁと。
──親しみやすさ?
武田: 居酒屋のカウンターにいても浮かずに馴染みそうな雰囲気が、視聴者の方にも共感を持っていただいているのかなと思います。「本当にお店にいそうな感じがいい」と言っていただけます。
──武田さんはよく食べるので、『ワカコ酒』の撮影にはぴったりだと聞きました。
武田:プロデューサーや監督がそれを知っていたかはわかりませんが、たしかに私は食べることが生活の楽しみのひとつです。食べるシーンの撮影は、少なくとも3回はあります。食べ飲みをたくさんすることになるので、ちょっと大きい胃袋の持ち主じゃないとキツい撮影かもしれないですね(笑)。
──毎回のハイライトと言える「ぷしゅー」のシーンのこだわりは?
武田:「ぷしゅー」は原作漫画のファンの方々にとっても思い入れの深い要素だからこそ、「全然違う!」と言われたらどうしようか、初めすごくプレッシャーを感じていました。監督に相談したところ、「思うようにやっていいよ」と言ってもらえたので、あえて事前に「こういうふうに演じよう」とは决めずにやっています。
本番で実際にお酒を飲んで演じているんですが、喉がカラカラのときに唐揚げとビールでしたら勢いのある「ぷしゅー!」で、しっぽり日本酒のときは吐息のような「ぷしゅー」と、食べ物やお酒に合わせて変えています。