乾燥で肌が荒れる冬はもう終わりだが、肌トラブルに年中悩まされている人は多いはず。セルフケアでなかなか改善しない場合は早めに皮膚科で相談した方が良い。専門家に、部位別のポイントを聞いてみた。
【教えてくれた人】
おさめスキンクリニック 院長 納さつきさん/皮膚科専門医、医学博士。2013年に東京・代官山に開院。ていねいなカウンセリングを心がけ、東洋医学を取り入れた治療も行う。
すがも小林皮フ科 院長 小林道子さん/皮膚科専門医。肌が弱くアレルギー体質だった経験から、東京・巣鴨のクリニックでは予防医学にも力を入れている。
池袋駅前のだ皮膚科 院長 野田真史さん/皮膚科専門医。ニューヨークのロックフェラー大学皮膚科で診療、研究の経験も。2018年に東京・池袋にクリニックを開院。
日比谷ヒフ科クリニック 総院長 増岡宏昭さん/皮膚科専門医。東京大学医学部附属病院勤務後、都内4か所にクリニックを開院し、患者の悩みや症状に合った治療を提案する。
ニキビ「痕になりやすいニキビは症状に合った適切な治療を」
肌のターンオーバーが乱れて毛穴が詰まりやすくなったり、生活習慣が乱れたりすることが主な原因のニキビは、大人になっても悩まされる人が多い。
「赤く腫れた赤ニキビや黄色く膿んだ黄ニキビの状態になると、痕が残ってしまう可能性が高くなるので早めに受診を。初期なら外用薬とビタミンB群の内服薬、赤ニキビには殺菌作用のある抗生剤など、段階に応じた適切な治療が必要です」(増岡さん)
ほくろ「隆起したほくろは保険で切除が可能」
「一般的にほくろと呼ばれているものは、色素性母斑という良性腫瘍です。隆起したほくろは洗顔時に爪が当たって出血するなどの問題があるため、月に1個までといった制限はありますが、保険適用の手術で切除できます」(増岡さん)
面ぽう(毛穴の詰まり)「鼻の頭の黒いブツブツはニキビの初期段階かも」
鼻の頭や小鼻にある黒い毛穴は、保険で治療できる面ぽうの可能性も。ニキビの初期段階である面ぽうは、毛穴に皮脂が詰まった状態で触るとザラザラした感触が。
「特に鼻の頭など皮脂量が多い部分に起こりやすく、毛穴が詰まり皮脂が外に出られなくなると黒色に変化して毛穴が目立ってきます。面ぽうは、皮膚の角化を調節して毛穴の詰まりを改善する保険適用の外用薬で治療が可能。大きなものは、面ぽう圧縮という方法で取ることもあります」(小林さん)