スポーツ

“規制だらけ”の東京マラソン 「これでは記録は出せない」との声も

キプチョゲの異次元の走りと一緒に回れるレースだったが(写真は東京マラソン財団の公式YouTubeより)

キプチョゲ選手の異次元の走りと一緒に回れるレースだったが、東京が“前例”になり携帯を持ち手荷物預かりの出費を検討するスタイルが定着すると、走りこみ脚を作り体重を絞り身体を仕上げて自己ベストを目指す機会は、どこへ(写真は東京マラソン財団の公式YouTubeより)

 3月6日、3年ぶりに一般ランナーが出場し、1万9188人が都心を駆け抜けた東京マラソン。現世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ選手(37、ケニア)は2時間2分40秒という世界歴代4位の走り(1位と3位は自身の記録)を見せ、日本記録保持者の鈴木健吾選手も日本歴代2位の記録で全体4位と健闘。最高気温も14℃という市民ランナーにも優しいコンディションで、盛り上がりを見せた。

 多くの市民マラソンに出場するベテランランナーが語る。

「1か月前になりキプチョゲ選手出場が決まると、コロナを警戒し出場取りやめを検討していた市民ランナーたちも俄然やる気になりました。実際、先導白バイの“誤誘導”がなければ世界記録が出たと言われる走りは、見ていても世界屈指のストライド(歩幅)からにじむ躍動感や洗練されたフォームも別格。それを追いかけたり、すれ違えたりした今回の東京マラソンは、走る価値大でしたが……」

 実は今回、コロナ禍の最近では珍しい大規模開催を実現するために、大会側が参加者に求めた要件はかなり多かった。日本陸連がマラソン大会開催を可能としている条件(「ロードレース再開についてのガイダンス」をクリアすること)にあるPCR検査には、6800円の別途費用が必要な業者が指定された。通常の大会ならば検査結果や陰性証明書の提出はあっても業者指定はない。

 さらにレース会場に入るためには体調管理アプリが必要なため、スマホを持って走ることになった。通常は無料の手荷物預かりも「新型コロナウイルス感染症対策の一環により」(東京マラソン財団)行われず、民間業者(有料)しかないためリュックサックに入れて走る人もそこかしこに見られた。

「感染対策はわかりますが、荷物もスマホも持って“登山”みたいなスタイルで走るなんて、ランナーには酷です。タイムを縮めるために靴も軽いものを選び体重だって削る人が多い。最近も『大阪・びわ湖』の一般参加や『とくしまマラソン』が中止になるなど、今シーズンもほとんどの全国の大会がコロナにより中止の判断を下しましたが、この東京マラソン方式が定着したら、開催されてもベストタイム達成は相当難しい。どんな盛り上がる大会でも、マラソンの楽しみが減ってしまいます……」(前出のベテランランナー)

 コロナ対策と同様に、市民ランナーが走る楽しみを失わないための対策も、重要だ。

関連記事

トピックス

広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
筑波大の入学式に臨まれる悠仁さま(時事通信フォト)
【筑波大入学の悠仁さま】通学ルートの高速道路下に「八潮市道路陥没」下水道管が通っていた 専門家の見解は
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
《事故前にも奇行》広末涼子容疑者、同乗した“自称マネージャー”が運転しなかった謎…奈良からおよそ約450キロの道のり「撮影の帰り道だった可能性」
NEWSポストセブン
長浜簡易裁判所。書記官はなぜ遺体を遺棄したのか
【冷凍女性死体遺棄】「怖い雰囲気で近寄りがたくて…」容疑者3人の“薄気味悪い共通点”と“生活感が残った民家”「奥さんはずっと見ていない気がする」【滋賀・大津市】
NEWSポストセブン
坂本勇人(左)を阿部慎之助監督は今後どう起用していくのか
《年俸5億円の代打要員・守備固めはいらない…》巨人・坂本勇人「不調の原因」はどこにあるのか 阿部監督に迫られる「坂本を使わない」の決断
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者(44)が現行犯逮捕された
「『キャー!!』って尋常じゃない声が断続的に続いて…」事故直前、サービスエリアに響いた謎の奇声 “不思議な行動”が次々と発覚、薬物検査も実施へ 【広末涼子逮捕】
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
再再婚が噂される鳥羽氏(右)
《芸能活動自粛の広末涼子》鳥羽周作シェフが水面下で進めていた「新たな生活」 1月に運営会社の代表取締役に復帰も…事故に無言つらぬく現在
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン