スポーツ

女子ゴルフ、シード権の新指標ランキング なぜ「メルセデス」が冠なのか

2019年に最優秀選手賞として表彰された渋野日向子(Getty Images)

2019年に最優秀選手賞として表彰された渋野日向子(Getty Images)

 開幕を迎えた女子ゴルフの国内ツアー。今季からは大きな変化がある。「賞金女王」がなくなるのだ。

 賞金ランキング上位50人までに翌年のシード権が与えられる仕組みが廃され、代わりに各大会の成績をポイント化した「メルセデス・ランキング」でシード権が決定。同ランキング年間1位の選手が最優秀選手賞として表彰され、4年間の長期シードが付与される。

「昨シーズンは移行期間で、2つのランキングそれぞれの50位以内にシード権が与えられたが、今季から一本化される。メルセデス・ランキングにはその大会の賞金額は関係なく、決勝に進出した選手に順位でポイントがつく。3日間競技を基本に、4日間競技は1.5倍、国内メジャー大会は2倍、米女子ツアーのメジャー大会は4倍のポイントになる。賞金額は大会ごとにかなり違うので、高額の試合で勝った選手が有利になるといった点を是正する狙いなどがある」(ツアー関係者)

 昨季の賞金女王は稲見萌寧(22)だが、メルセデス・ランキング1位は古江彩佳(21)。終盤戦の楽しみも変わりそうだが、そもそもなぜ、「メルセデス」が冠なのか。

 同ランキングが誕生したのは2012年。JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)とメルセデス・ベンツがオフィシャルパートナー契約を結び、1位の選手が最優秀選手賞として表彰され、賞金500万円とベンツがプレゼントされるようになった。「ツアーを1試合開催するスポンサーになれば賞金含め3億円かかるとされるが、オフィシャルパートナーはその数倍といわれている」(担当記者)という。

 JLPGAの公式ホームページにはメルセデス・ベンツから〈ジュニア育成活動への協賛など(中略)包括的にサポートしていただいております〉とあり、相当な“支援”があることが窺える。

 超大口のスポンサーだからこそ、「年間女王」の冠となれるのである。ちなみに男子にもメルセデス・ランキングはあるが、女子より後発でシード権決定とは関係ないため、「賞金王」のまま。

 一本化されて初の“メルセデス女王”は誰になるのか。

※週刊ポスト2022年3月18・25日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
マッチングアプリぼったくり。押収されたトランプやメニュー表など。2025年5月15日、東京都渋谷区(時事通信フォト)
《あまりに悪質》障害者向けマッチングアプリを悪用した組織的ぼったくりの手口、女性がターゲットをお店に誘い出し…高齢者を狙い撃ちする風俗業者も
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下の「慰霊の旅」に同行された愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、皇室とご自身の将来との間で板挟み「皇室と距離ができればこうした仕打ちがある」という前例になった眞子さんの結婚 将来の選択肢を“せばめようとする外圧”も 
女性セブン
“じゃないほう”だった男の挑戦はまだまだ続く
「いつか紅白で『白い雲のように』を歌いたい」元猿岩石・森脇和成が語る有吉弘行との「最近の関係性」
NEWSポストセブン
「ピットブル」による咬傷事故が相次いでいる(左・米軍住宅参考画像)
《沖縄で相次ぐピットブル事件》「チェーンを噛みちぎって引きずった痕も…」自治体が狂犬病の予防接種すら把握できない“特殊事情”「米軍関係者の飼い犬だった」 
NEWSポストセブン
白鵬の活動を支えるスポンサー企業は多いと思われたが…
白鵬「世界相撲グランドスラム」構想でトヨタ以外の巨大スポンサー離反の危機か? “白鵬杯”スポンサー筆頭格SANKYOは「会見報道を見て知った。寝耳に水です」
週刊ポスト
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルの飛行機でスヤスヤ》佳子さまの“寝顔動画”が拡散…「エコノミークラス」に乗った切実な事情
NEWSポストセブン
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落事故》「ボタンが反応しない」「エアコンが起動しない」…“機内映像”で捉えられていた“異変”【乗客1名除く241名死亡】
NEWSポストセブン
ロスで暴動が広がっている(FreedomNews.TvのYouTubeより)
《大谷翔平の壁画前でデモ隊が暴徒化》 “危険すぎる通院”で危ぶまれる「真美子さんと娘の健康」、父の日を前に夫婦が迎えた「LAでの受難」
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン