スポーツ

羽生結弦、世界選手権欠場の理由は捻挫だけか 地元・仙台で練習を再開

(写真/アフロ)

世界選手権欠場の本当の理由は(写真/アフロ)

 3月上旬、凍えるような寒空の下降り続いていた小雨は、24時を回ると雪へと変わった。あたりは深い静寂に包まれ、仙台のスケートリンクの明かりだけが、勢いを増す雪を白く照らし出していた。深夜1時、スケートリンクの照明が消えると、1台の車がその場を走り去り、周囲は再び暗闇に覆われた。リンクから出てきたのは、北京から帰国し、隔離期間を終えたばかりの羽生結弦(27才)だ。

「長い間拠点にしている地元のスケートリンクで練習を再開したようです。これまで通り、リンクが営業を終了して誰もいなくなった深夜にひとりだけで行い、24時を過ぎても続けることが多いようです」(地元の住民)

 北京五輪後も、変わらないルーティンをこなす羽生。今後の動向が世界中の注目を浴びるなか、彼はいま、何を考えているのか──。

 北京五輪の公式練習で、かねて痛めていた右足首を捻挫してしまった。ショートプログラムでは最初の4回転ジャンプを跳ぼうとした際にリンクにできた穴にはまってしまう不運に見舞われ、出遅れた。それでもフリーでは4回転半に果敢に挑戦し、転倒はしたものの、国際スケート連盟に、史上初めて4回転半が成されたと認められた。

 2月20日のエキシビションでは『春よ、来い』に合わせた華麗な演技を披露し、滑り終わると目を潤ませながら、両手を口元に添えて「ありがとうございました」と感謝の気持ちを表した。

 その翌日、北京から成田に到着すると、コロナ禍を気遣って「おつかれさま」「ありがとう」と小声で出迎えた300人のファンたちに向かって、羽生は歩みを進めるたびにお礼を返し、その数は実に30回にも及んだ。

「羽生選手は関係者の1人として北京五輪に帯同した母親の由美さんと一緒に帰国し、そのまま仙台に戻りました。それから7日間の隔離期間は自宅で過ごしたと聞いています。エキシビションの後、彼は『足首はちゃんと休ませてあげようかなと思っている』と話していました。この後はしばらく公の場で滑る機会もないので、治療のために休養するものと思っていたのですが……」(フィギュアスケート関係者)

 隔離期間明け直後の3月1日、羽生は3月21日からフランス・モンペリエで開催される世界選手権を欠場すると発表した。北京五輪で痛めた右足関節の捻挫が完治していないのがその理由だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン